週刊誌などで「これさえ身に付ければ、あなたも万事うまくいく!」というような内容の広告を見たことはありませんか?
そのような広告に掲載されているのは、ブレスレッド・数珠・ペンダントなどのアクセサリー類であることが多いです。品物の写真を見ると、なにか不思議なパワーが備わっているような形状や色合いをしています。
実際の体験談として、「病気が治った」「仕事がうまくいくようになった」「宝くじに高額当選した」などの事例が紹介されており、どれも大変うらやましい話ばかりです。
そんなに効果があるものなら、試しに買ってみようかな・・・
悩みを抱えたひとだと、藁にもすがる思いで、そう考えるでしょう。
その開運グッズ、買ってよい?買ってはいけない?
不安につけこむのが開運商法
はっきり言いましょう。買ってはいけません。
そのようなグッズを買ったところで、何の効果も得られません。
「でも、神社のお守りとかお札とか、色々な魔除けの品々ってあるでしょ?だったら、開運グッズの中にも、同じように霊験あらたかなものもあるんじゃないの?」
・・・そういう風に思う方が、いらっしゃるかも知れません。
確かに、それほど信仰心が強いひとでなくても、お守りなどを持ち歩いていたりすることはあります。「病は気から」と言われるように、そうしたものを所有することで安らかな心持になり、それだけでも効果十分だという場合もあるでしょう。
別にグッズを買うだけなら、その効果を信じるも信じないは、そのひとの自由です。
問題は、この手の開運グッズ販売では、単にその品物を売るだけにと止まらず、購入者の不安な気持ちにつけこんで次々と重ね売りをしてくることがあるという点なのです。このような商売は「開運商法」と呼ばれ、被害に遭ってしまうひとが後を絶ちません。
開運商法の手口とは
雑誌の広告などに掲載されている、ブレスレッドやペンダントなどの開運アクセサリーを購入すると、最初は普通に商品が届きます。商品のお値段も数千円程度なので、「これで本当に運気が上がったらラッキー」と、良い買い物をしたように思います。
その内、僧侶・祈祷師・占い師などを名乗る者から連絡があります。「あなたには悪い霊が取り憑いているので、今回購入したグッズだけでは運気が開けない。●万円で除霊サービスが追加できる」とか、「今回のグッズは入門編だが、あなたの場合はさらに上級編の水晶玉を合わせて所有すると、最高のパワーを得ることができる。水晶玉は●万円だ」などと、最初の品より高額な品物やサービスを売りつけてきます。
そんな話に騙されるひとがいるのか?と訝しく思うかも知れません。
しかし、こういう開運グッズに興味を持ったひとというのは、何らかの深刻な悩みを抱えていたり、大きな失敗をした直後だったりで、メンタルが弱っていることが多いものです。そんな状態で、グッズ購入直後にたまたま少しよいことがあったりすると、「開運グッズの効果だ!」と錯覚してしまったり、後から来た連絡で「悪霊が憑いている」「グッズのパワーが足りない」などと言われると、「そう言われてみると・・」と、勝手に思い当たる節を自分の中で結びつけてしまいがちです。
詐欺業者の方も、巧みにそういった心理を突いてきます。「最近自分や身の回りで、大きな不幸がありませんでしたか?」などと質問し、購入者が「そういえば・・」などと言おうものなら、内容の如何を問わず「それは悪霊の仕業です」などと揺さぶりをかけてくるのです。
中には、3回目以降も高額商品を売りつけてくるケースもあります。「また違う悪霊が憑いた」「先祖の霊が邪魔をしている」などデタラメなことを告げ、次々とインチキなグッズや祈祷などのサービスを勧めてきます。そのどれもが高価です。先に購入したものでは効果が不十分で、より効果の高いものが必要と思わせるために、どんどん値段が釣り上がっていくからです。
無料鑑定で集客する場合も
同じ開運商法でも、開運グッズの通信販売ではなく、手相・占い・霊視などの無料鑑定を切り口に、ターゲットを集客する場合もあります。
この場合も、「悪霊があなたの運気を下げている」「あなたには霊的なパワーがあるが、自分自身ではそれを開放できない」というような適当な鑑定結果を告げ、その対策として開運グッズや祈祷サービスを勧めるというやり方は、通信販売の場合と同様です。
通信販売の場合と異なり、直接ターゲットの表情や人となりが分かるので、開運商法としての効率ははるかによいと言えます。なにしろ、鑑定結果を聞いてそれを信じているか・不安に思っているか・ここで畳み掛ければ落とせるか、などを目の前で観察できるのです。
ターゲットの顔色や仕草に注意しながら、悩みが簡単に解決するように思わせる作り話をするなどということは、開運詐欺事業者にとっては朝飯前でしょう。
アクセサリー以外の商品もある
先述のブレスレッドやペンダント以外にも、同様の開運商法に利用されるグッズは色々あります。
印鑑・財布・お札・写真・壺・絵画などが、代表例です。
これらのものは、どれも原価は安いにも関わらず、「特別な祈祷パワーを注入している」などの理由で、とてつもない高額な値段がついています。もちろんそれが嘘であることは間違いありませんので、絶対に買ってはいけません。
まとめ
以上で本記事を終ります。開運商法の開運グッズは、買ってはいけません。それが気軽に買える値段のものであったとしても、必ずより高価な商品を重ね売りされます。くれぐれも騙されないように気を付けましょう。
コメント