季節によって様々な姿や色で、私たちを和ませてくれる『花』。
玄関先や庭で育てたり、切り花にして室内に飾ったりと楽しみ方も色々ありますよね。
ですが、身近にあるきれいな花には危険な花も存在します。
花などの植物は、私たちを楽しませるためにキレイなのではなく、繁殖し命を繋ぐために必要な姿をしているのです。
中には、自分の身を守るために、毒をつくりだす花もあります。
意外と知られていない、身近にある危険な花とは、どのような花なのでしょうか？
今回の記事では、知らずに買ってはいけない花をご紹介します。
子供やペットに注意！
ガーデニングなどで使用される花の中には、毒を持つものもあります。
ご家庭に小さい子供やペットがいる場合には注意しなくてはなりません。
できれば植えないでほしい有毒植物を見てみましょう。
スズラン
小さな可愛い花をつけるスズラン。多年草の一種で、芳香性もあり、知らない人はいない位のポピュラーな花です。
5月頃になると赤い実ができるのですが、この時に子供やペットが口にしたり触れてしまうことが多くあるのです。
実際に死亡するケースも起きています。
毒性：スズランには、コンバラトキシンやコンバロシドなどの有毒物質が含まれており、体内に入ると、心臓に影響を及ぼす可能性があります。この化合物は心臓のリズムを乱すことがあり、摂取すると嘔吐、下痢、めまい、動悸などの症状を引き起こす可能性があります。大量摂取の場合、摂取後1時間以内に症状が発症し、最悪の場合、死に至ってしまうのです。
このスズランが持つ毒は、青酸カリの15倍の強さとも言われており、大変危険な植物です。
また、有毒性があるのは花や実だけでなく、植物全体にあります。もちろん花粉にも有毒物質は含まれていますので、触れる際は素手で触れないようにし、絶対に子供やペットから目を離さないよう注意が必要です。
スイセン
主に春に花が咲く、美しい白や黄色の花を持つ球根植物の一種です。代表的な種類としては「ヒガンバナ」や「ユリノキ」などがあり、庭園や花壇で人気があります。
また球根がノビル、葉がニラと似ているため、誤って口にしてしまうことがあり、最悪の場合、死に至ります。
毒性：スイセンの球根や葉にはアルカロイドと呼ばれる有毒な物質が含まれており、摂取すると中毒症状を引き起こす可能性があります。
症状には吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、頭痛、めまいなどが含まれます。
小さな子供やペットが誤って水仙の部位を食べないように気を付けることが重要です。水仙を栽培する場合も、手袋を着用したり、作業後に手をよく洗ったりするなどの予防策を取ることをお勧めします。
ツツジ
ツツジは日本文化において特に重要な植物であり、春の風物詩として親しまれています。一般的に春に咲き、鮮やかな色合いや独特の形状が特徴です。
小さい頃、ツツジの花を摘んで蜜をなめたことがある人もいるかと思います。
少量なら問題ありませんが、ツツジにも毒があります。
毒性：ツツジに含まれるジギタリス配糖体は、心臓の動悸を抑制する薬としても使用されることがある一方で、摂取すると心拍数の異常や心臓の問題を引き起こす可能性があります。この毒性は特に葉や花の部分に含まれており、誤って摂取することがあれば健康へ悪影響を及ぼす可能性があります。
また、子供やペットは毒素に対する感受性が高い可能性があり、アレルギーを引き起こすこともあります。
このように、身近にありながらも実は毒性が高い花がたくさんあります。
庭やその周辺に花を植える際は、その花について予め調べておくことが必要です。
室内の花にもご注意を！
危険な花は、屋外にあるものだけではありません。
室内に生けてある切り花や観葉植物にも、毒性のあるものがあります。
アジサイやチューリップ、ヒヤシンスなどの屋外で見られることが多い花も、切花として部屋に飾ることが多いと思います。
しかし、樹液に触れたり、生けてある花瓶の水などを誤って口にしてしまうと中毒症状が現れる可能性が高いため、小さな子供やペットがいる家庭では、十分注意が必要です。
その他、アンスリウムやアイビーなど観葉植物にも気を付けてください。
葉や茎に毒性があり、皮膚に触れるとかぶれることがあります。作業をする際は、ゴム手袋を着用し直接触らないように心がけてくださいね。
最後に
とても身近に毒のある花や植物があるのは驚きですよね。
今回ご紹介したものは、ほんの一部にすぎません。花だけではなく、育てやすいことから人気のあるイチジクなどは、収穫の際に茎などの汁がつくとかぶれることもあります。
このように、私たちの周りには有毒植物がたくさんあるのです。
『キレイな花には毒がある』というように、普段から目にしている美しい花たちは、自身の身を守るために、様々な特徴を持っています。その１つに毒があるのです。
小さい子供やペットがいる家庭は、正しい知識を持たずに花や植物を買ってはいけないことが分かりますよね。
自分や環境に合った花を選び、正しい知識や栽培方法でガーデニングを楽しんでくださいね。
