投資したお金が何倍にもなって返ってくる。そんなことが、実際にあったらいいですよね。
楽をして稼ぎたい、多くの人がそう考えている筈です。
そんな人のところへ持ち込まれる、投資に関する情報が入ったUSBメモリを勧める話。
「初心者でも、メモリに入っている情報をもとに、簡単に投資で稼ぐことができる」・・・
本当にそうだったら素晴らしいですが、その投資用USBメモリ、買ってよい?買ってはいけない?
バイナリ―オプション取引への投資で儲けるという話
この投資用USBメモリに入っている情報は、バイナリ―オプション取引に関するものです。
バイナリ―オプション取引とは、特定時点の為替相場が上がるか下がるかを予想するものです。取引期間終了時に予想が当たっていれば、投資した資金が事前に設定した倍率に増え、外れたら投資額がそのまま損失となります。
例:投資額10万円 予想が当たったら→18万円(+ 8万円)
予想が外れたら → 0 円(-10万円)
「上がるか/下がるか」の二択を予想するだけなので、取引の仕組み自体は簡単です。
また、証券会社などの金融機関を通して行う金融商品取引ですので、バイナリ―オプション取引自体がいかがわしい話ということではありません。
USBは単なる教材+偽ソフト
投資用USBに入っている情報とは、このバイナリ―オプションに関する説明です。
初心者は、そもそもバイナリ―オプション取引とはなにか、なぜ儲かるのか、どうやったら口座を開設して取引開始できるのかといった仕組みの理解から必要なので、そういった点についての解説が入っています。
それだけなら、ネットなどでも学習できるので、それほど価値のあるものではありません。
しかし、多くの場合教材と共に「高確率で当たる為替予想ソフト」などがセットになっています。そして「このソフトに従って投資すれば、必ず儲かる」などと言われ、数十万円の価値があると思わせるのです。
残念ながら、このソフトはほとんどの場合まるでデタラメなもので、高確率で当たるなどということは絶対にありません。「上がる/下がる」の二択なのでたまたま当たる確率も50%かも知れませんが、それ以上にはなりません。
ローンを組まされて高額で購入させられる
このようなUSBを売りつけられる大学生が、増えています。
大々的に宣伝すると儲け話に見えないことから、学生同士が口コミで「おいしい話がある。自分もこれで儲けている」と勧誘します。勧誘に成功して友人等にUSBを購入させると、数万円のバックマージンが販売事業者から払われます。
中にはたまたま儲かっている人も実際にいますので、怪しい話だと気づきにくいのです。
学生は通常そんなに経済的な余裕がないので、消費者金融などでローンを組まされて代金を支払う事が多いです。
「投資で儲ければ、借金なんてあっという間に返済できる」と言われて、いざ投資を始めてみると思ったほど儲からず、むしろ損をすることの方が多かったりして、結局借金返済に苦労することになります。
そんなに簡単に儲かるものではない
若い人は、「勝ち組」という言葉に敏感に反応します。
「バイナリ―オプション取引で儲かる『勝ち組』は、ほんの一握り。君も勝ち組に入りたくないか?」
こう言われると、「勝ち組に入りたい!負け組にはなりたくない!」という心理が働きます。
そうした心理を巧みに突くためのツールが、この投資用USBメモリだと言えるでしょう。
しかし、そんなに簡単に儲かるはずがないのです。短期的な為替の「上がる/下がる」を当て続けるというのは、サイコロを何回もふって「偶数/奇数」を当て続けるのと同じことです。たとえ3回続けて当たったとしても、次には4回連続で外れるということが起こりかねません。
また、バイナリ―オプション取引の配当率は75%程度と言われています。すなわち、勝ち負けが半々だった場合は、投資額が25%ずつ目減りしていくということです。
USBに入ったインチキソフトに頼って、投資額を溶かしていく・・・
考えただけでぞっとしませんか。
はまって大損するケースも
中には、負けを取り返そうとむきになって、更に大損を出してしまうというひともいます。
バイナリ―オプション取引は、予想が外れたら投資した金額が丸ごとなくなってしまうので、非常にリスクが高い投資なのです。
損が拡大しないように適切に資金管理して、生活費に食い込まないよう余剰資金の範囲だけでやるべきでしょう。
しかし、バイナリ―オプション取引で人生が終わった・・というような話をよく耳にします。それだけ中毒性が高いという証拠です。
まとめ
以上で本記事を終わります。実際には儲けることが難しいバイナリ―オプション取引ですが、興味があればやってみてもよいでしょう。しかし、必ず儲かる方法が入っているという投資用USBメモリ、絶対買ってはいけません。
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