乳幼児がいる家庭では馴染みのある「ベビー用イオン飲料」。
お風呂上りやお出かけの時に飲ませる人も多いのではないでしょうか。
販売メーカーも様々で、和光堂「アクアライト」、雪印ビーンスターク「ビーンスターク ポカリスエット」、ピジョン「ミネラルアクア」等があります。
どれもベビー用に製造されており、大人用のイオン飲料に比べると糖分や塩分を少量に抑えています。
乳幼児は水分補給が欠かせませんが、このベビー用イオン飲料は本当に体に安全なものでしょうか？
この記事では、ベビー用イオン飲料についてご紹介します。
イオン飲料とは
イオン飲料は、電解質を含む飲料のことで、浸透圧が調整されているため、素早く体内に吸収されるといわれていますが、主に糖分を多く含んでいます。
1.水分・電解質の補給
イオン飲料は、水分と電解質を含んでおり、運動中や暑い環境下で失われる水分とミネラルを効果的に補給するのに適しています。
2.ナトリウムとカリウム
イオン飲料には、特にナトリウムとカリウムといった電解質が含まれています。これらは筋肉の収縮や神経伝達に重要な役割を果たすため、運動後の体の回復に役立ちます。
3.エネルギー補給
一部のイオン飲料には、糖分も含まれており、運動時に消耗したエネルギーを補給する助けとなります。
5.運動後の回復
運動後の筋肉の修復とエネルギーの補充をサポートするため、多くのアスリートや運動愛好家に利用されています。
ベビー用は、これらを薄く調整したものになりますので、もちろん糖分も含まれています。
赤ちゃんとイオン飲料
赤ちゃんには通常、母乳またはミルクが最適な栄養源となります。
しかし入浴後や外遊びの後などは、特に水分補給が必要となりますが、なかなか白湯や麦茶は飲んでくれないことが多いのではないでしょうか？
乳児であればミルクや母乳、幼児であれば白湯や麦茶が望ましいのですが、手間なく飲ませられるイオン飲料を選択する人も多いかと思います。
赤ちゃんや小さな子供にとってイオン飲料は必要で安全なものなのか、メリットとデメリットをお話します。
メリット
・食欲がなくても飲んでくれる。
・手間なくすぐに準備ができる。
・吸収が良い。
・糖分が多いので、栄養の補給源になる。
デメリット
・栄養が偏っている（栄養素は主に糖分）
・イオン飲料の味に慣れてしまうと、他の飲み物（母乳やミルク）を飲まなくなる。
・糖分が高く、糖質の過剰摂取になる可能性がある。
・虫歯になる可能性が高くなる。
簡単ですぐに飲んでくれるイオン飲料ですが、実は小さな子供の体にリスクを伴うことがあるのです。
成長段階にある赤ちゃんや幼児は、特定の栄養が必要であり、イオン飲料に含まれる成分や糖分は発育や健康に影響を及ぼす可能性があります。
特に、イオン飲料を必要としない時でも、日常的に水分補給として飲ませていると、様々な悪影響がありますので、注意が必要です。
小さな体への影響
赤ちゃんや幼児に、日常的にイオン飲料を摂取させることで起こる悪影響とは、どのようなものなのでしょうか。
1.糖分の過剰摂取
イオン飲料には糖分が多く含まれている場合があります。過剰な糖分摂取は肥満や糖尿病などの健康問題を引き起こす可能性があります。
また、甘みを覚えてしまい、味の薄い食事を嫌うようになってしまいます。
2.電解質の不均衡
イオン飲料に含まれるナトリウムやカリウムなどの電解質を過剰に摂取すると、体内の電解質のバランスが崩れる可能性があります。これは心臓や腎臓などの健康に悪影響を及ぼすことがあります。
3.アレルギー
イオン飲料には添加物や香料が含まれていることがあり、これによってアレルギー反応が引き起こされる可能性があります。
4.ビタミンB1欠乏症
イオン飲料をたくさん飲みすぎることによる、乳幼児のビタミンB１欠乏が問題視されています。イオン飲料は沢山飲むことで、食事が母乳やミルク、食事の量が減ってしまうことがあり、そのため必要なビタミンが摂取できず発症してしまう症状です。
このように、赤ちゃんや小さい子供にとってイオン飲料の飲みすぎは体に悪影響を及ぼします。
個々の健康状態や飲用量によって影響が異なるため、イオン飲料を摂取する際には適切な量を守り、バランスの取れた食事と水分補給を心がけることが大切です。
水分補給をしたい時は
お風呂上りや運動後、または体調が悪く食事が進まないときなどは水分補給が大切です。
だからといってイオン飲料に頼りすぎるのは良くありません。
食べ物を摂取できるのであれば、母乳やミルク、離乳後であれば麦茶や白湯が望ましいです。
それが難しいようであれば、経口補水液が一番安心ですが、なかなか味を受け付けてくれない場合があります。一口ずつスプーンなどで小まめに摂取させましょう。
まとめ
水分が必要だからといって、あまり摂取しすぎるとお腹いっぱいになってしまいます。
その上、イオン飲料ばかり摂取させてしまうと、体に様々な影響が出てしまうのです。
イオン飲料を与えるなら、
・目安量としては、乳幼児の場合は、1日に200ml程度を上限に与える
・症状が改善されたら、すぐに中止する（何日も飲ませ続けない）
上記注意点を踏まえて、イオン飲料をあたえるかどうか判断する必要があります。
イオン飲料は水分補給として必要な飲料ではありませんので、赤ちゃんや幼児に買い与えない方がいいでしょう。
どうしても必要な場合は、嗜好品と考え、飲みすぎることのないように注意しながら、適量を楽しむよう心がけましょう。
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