2006年にレッドブルが発売されて以来ブームとなり、今ではコンビニやスーパー、ドラッグストアなど、どこででも手に入るようになったエナジードリンク。
20〜30代のはたらく世代に人気がありますが、最近では10代の中高生が飲んでいる場面も見かけるようになりました。
コンビニでも気軽に購入でき、スマートでカッコいいイメージのエナジードリンクは、10代の子どもも手に取りやすいようです。
知り合いの高校生のお子さんも、受験勉強の時にエナジードリンクを好んで飲んでいると言っていました。
でも、エナジードリンクにはリスクがあります。
大人が飲む場合でも問題になりますが、特に発達途中の子どもには影響が大きく、エナジードリンクは子どもが買うべき飲み物ではないといえます。
エナジードリンクとは
エナジードリンクは、カフェイン、アミノ酸、ビタミンB群などの成分を添加した飲料で、食品衛生法で規定された「清涼飲料水」に分類されます。
清涼飲料水なので、栄養ドリンクのように効能、用法、容量を表示することはできません。
主にカフェインによる眠気を覚ます効果や、疲労感を回復させる目的で飲まれるほか、「ちょっと気合を入れたい」などの理由で飲まれることが多いようです。
スタイリッシュなラベルの飲みやすい味の炭酸飲料ということで、日常的に飲んでいる人も多いのではないでしょうか？
また、あくまで清涼飲料水なので年齢の規定はありません。
エナジードリンクの危険性は？
そんな身近なエナジードリンクですが、様々な危険性があります。
カフェイン
まず、1番に問題なのがカフェインです。
カフェインは摂取すると自律神経の交感神経に作用し、血流が良くなったり、集中力が上がったり、一時的に体の機能が高まり元気になった気がします。
眠気が覚めることもよく知られていますね。
100mlあたりのカフェイン量は以下のようになっています。
コーヒー 60mg
エナジードリンク 40mg
紅茶 30mg
コーラ 13mg
コーヒーなどと比べて、エナジードリンクのカフェイン量がとても高いというわけではありません。
しかしエナジードリンクは体に良いというイメージや、甘い炭酸飲料ということで、一度に多量に飲みがちという問題点があります。
また、その甘さやカフェインの作用により、毎日飲むことが習慣化している人が多いのも特徴です。
日本にはカフェインの摂取量の制限がありません。
一方、カナダでは、
4～6歳児：1日に45mg未満
7～9歳児：1日に62.5mg未満
10～12歳児：1日に85mg未満
13歳以上の青少年：1日に2.5mg/kg体重未満
と細かく規定されています。
先程のエナジードリンクのカフェイン量を見てみると、250ml缶の場合、1本あたり100mgのカフェインが入っていることになります。
12歳未満の子供はもちろん、13歳以上の子どもでも体重40kgの子どもは、エナジードリンク1本で1日の摂取量を超えてしまうことになりますね。
カフェインを過剰に摂取すると、落ち着きのなさ、神経過敏、興奮、不眠、震え、不安感、頭痛、胃痛、心拍数の上昇などの症状が起こります。
糖質のとりすぎ
エナジードリンクには、糖質も多く含まれています。
250mlのエナジードリンクには、およそ30gの糖質が含まれています。
WHOが推奨する糖質の摂取量は、1日のあたり25gまでです。
エナジードリンクを1本飲んだだけで、1日分の糖質の量を超えてしまいます。
糖質を多量にとると血糖値が急上昇し、上がった血糖値を下げようとインスリンが放出され、今度は血糖値が急激に下がります。
血糖値が上がったときには気分がハイになりスッキリしますが、血糖値が急降下することにより今度は眠気、集中力の低下、イライラ感を感じるようになります。
また、習慣的に飲むことで、肥満や糖尿病のリスクが高まります。
歯に悪い
炭酸飲料は歯を溶かし、弱くします。さらに、エナジードリンクには多量の糖分が含まれているので、虫歯リスクが高まります。
添加物が多い
エナジードリンクにはたくさんの添加物が含まれています。
例えば、保存料(安息香酸Na)、合成香料、合成着色料、人工甘味料などです。
安息香酸Naは、酸化防止剤として使われるビタミンCと反応することで、「ベンゼン」という有害物質に変化することが知られています。
また、合成香料は何で作られているのかを示す必要がなく、どんな化学物質が入っているのかがわかりません。
合成着色料には、発がん性やアレルギーの原因となる危険性があります。
また、人工甘味料はノンカロリーがうたわれていますが、砂糖の何百倍もの甘さを持ち、頭痛、うつ病、不眠、体重増加、めまい、嘔吐、疲労、抜け毛、手の震えなどを起こす危険性があります。
どの添加物も、特に子どもには、できるだけ避けたいものばかりですね。
まとめ
コンビニなどで気軽に購入できるエナジードリンクですが、このようにたくさんのリスクがあります。
また、飲むと疲れがとれる気がしますが、それは元気になったのではなく、あくまで気がするだけ。
結局は後からシワ寄せがやってきます。
子どもがエナジードリンクを飲んでまで無理をしなければならない状況というのも、考えものです。
ぜひ、体へのリスクを理解し子どもに飲ませるかどうかを考えたいですね。
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