家庭菜園やガーデニングをする方ならベリー系の栽培をしてみたい方も多いのではないでしょうか。
ストロベリーやブルーベリー、いろいろ種類はありますが今回はちょっとマイナーなブラックベリーについてのお話です。
ブラックベリーってどんな植物？
ブラックベリー(キイチゴ／セイヨウヤブイチゴ）学名 Rubus fruticosus
低木／つる性植物
棘有りタイプと棘無しタイプ
6月から夏の間にたくさんの実をつけます。
耐暑性は非常に高く、耐寒性もあるので北海道などの寒冷地を除けば、特に対策をしなくても日本全国で栽培できます。
果実の味は甘みと酸味があり、生食でもジャムなどの加工にも向いています。
（美味しく食べるには収穫の時期がポイント！）
アントシアニンやポリフェノール、食物繊維が多く含まれている健康にも非常に優れた植物。
大きく広げた葉に、真っ赤な色の実と真っ黒な実のついたコントラストは本当に美しく、初夏から真夏の間、視覚からもとても楽しませてくれる植物です。
ブラックベリーは育てやすい！
ブラックベリーの魅力の一つがその育てやすさです。
夏の暑さはもちろん、冬も特に何も対策をしなくても（北海道や寒冷地を除く）越冬することができるので、一度植えたら植えっぱなしで十分に育ってくれます。
病害虫にも大変強く、何年も育てていても特に病気や虫にやられてしまうことはありません。
また落ちた実からも新しい芽がよく出てくれるので、簡単に株を増やすことができます。
ブラックベリーが好まれない理由って？
丈夫で栽培も簡単、健康にも良いのになぜ「ブラックベリーはあんまり…」と言われてしまうのでしょうか？
ブラックベリーが好まれない理由はいくつかあるのですが、まず一つ目が果実が酸っぱすぎると感じる人が多いことが挙げられます。
私自身もブラックベリーを長年育てていますが、収穫の時期が早すぎると確かに甘みが弱く酸味やえぐ味を感じます。
せっかく育てて実がなっても、それを美味しく食べれなかったり、うまく活用できないとやっぱりあまり人気は出ないのかもしれませんね。
（美味しく食べるための収穫時期や、その他活用法は後述します）
次に挙げられる理由は、その繁殖力です。
先述したように大変育てやすく、落ちた果実からも繁殖できるため「増えすぎる」と感じる人が多いようです。
「美味しく食べれなくて、他に活用法もわからない」状態だと、このブラックベリーの丈夫さや繁殖力はマイナスに感じるでしょう。
ブラックベリーの食べごろは？
それではブラックベリーの食べごろはいつなのでしょう？
ブラックベリーの果実は鮮やかな赤色から黒色に変わって行きます。
このような色の変化をするため、黒くなったら「熟れている」と思いがちですが、ここが注意点！
黒くなってからもしばらくは熟れ切っていないので、まだ収穫をしてはいけません。
赤色から黒いに変わった頃は、まだ果実の皮に張りがあり、つまんだ時に硬さを感じます。
また収穫しようとすると、果実が柄から離れにくく若干抵抗を感じます。
そこから数日間から１週間ほどすると果実の皮が少しシワっぽくなり実も柔らかくなります。
また収穫するときも実離れが良くなり、少し引っ張っただけでぽろっと実が取れるようになります。
この頃に収穫すれば、甘さが増して酸味がきつすぎないブラックベリーを食べることができます。
要は、「完熟で収穫する」事が大切です。
ブラックベリーの果実が市販で流通しない理由もここにあります。
ブラックベリーは完熟で収穫して初めて美味しくなるので、収穫から消費者の手元まで行くのに何日もかかる流通経路には不向きなんですね。
完熟してからの収穫ということは、果実が落ちるギリギリでもあるので、この時期の見極めには注意が必要です。
また、イチゴなどと同様に収穫後はカビが生えやすいので早めに消費することに留意して下さい。
雨の日や水やり後など、ブラックベリーが濡れている状態での収穫を避けるのも、気にしておくと良いポイントです。
完熟したブラックベリーを、晴れた日に、できれば食べる当日に収穫するのが一番良い収穫方法です。
ブラックベリーのいろいろな使い方
ブラックベリーはそのままでも食べる事ができますが、他にもいろいろな使い方ができます。
- ジャムにする
- ブラックベリーシロップにする
- お酒に漬けて果実酒にする
- 染料として使う
などの方法があります。
ジャムにするのが一般的な使い方ですが、果実酒にするのはかなりおすすめです。
ブラックベリーから出る深い赤紫色（アントシアニン色素）の、とても美味しい果実酒ができますよ。
また、早めに収穫してしまった果実や増えすぎて消費が追いつかない時は、布や糸（毛糸もできます）に染料として使うのがおすすめです。
服やハンカチなどの小物を、自然な色を楽しむ事ができます。
ブラックベリーまとめ
今回はブラックベリーの収穫時期や活用方法を中心にお話ししてきましたが、いかがだったでしょうか？
たくさんあるベリー類の中でも、厄介者のように言われてしまうブラックベリーですが、栽培から食用、その他活用まで本当に有益な植物なのがお伝えできていたら良いなと思います。
初夏から夏の間に、非常に美しい実を実らせるブラックベリーのある生活、ぜひ楽しんでみて下さいね！
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