真空管アンプとトランジスタアンプ
普段ステレオで音楽を聴くとき、信号の増幅回路であるアンプが必ず存在しています。一般的にそのアンプは、トランジスタアンプになります。
トランジスタ(半導体)を使ったアンプは、クリアな音で原音に忠実な音を奏でてくれます。
それに対して、真空管を用いたアンプもいまだに作られています。
真空管の製造は、現在では中国など限られた国でしか作られていません。真空管の貴重性を考えると、やはりトランジスタアンプを使う方が一般的です。
しかし、真空管アンプは、柔らかい音が出るのでそれに癒やされるという人もいます。
オーディオ初心者は、最初は、一般的な音質のトランジスタアンプから入った方がいいのではないでしょうか。
真空管アンプの音色
トランジスタアンプが、真面目でクリアな音を出すのに対して、真空管アンプは優しく柔らかい音がします。ほんのりと光る真空管の光やデザインのためか、ノスタルジックな感じがあり癒やし効果も抜群です。
真空管アンプの音は、CDとレコードで例えると優しい音のレコードになります。
アナログのやすらぐ音を求めているなら、真空管アンプでも良いかもしれません。
トランジスタアンプのちょっと堅い音とデザインに飽きた時も、真空管アンプを試してみるのもありかもしれませんね。
音楽で最高の安らぎを得るために、真空管アンプを使うのは一つの手です。
真空管アンプの特徴
真空管アンプの音質については前段落でお話ししましたが、能力の数値はすべてトランジスタアンプに劣ります。
対ノイズ性能にしたって問題にならないくらい、真空管アンプは劣っています。
その他、真空管の寿命は約5000時間と言われていて、普通に使って6~7年ほどだそうです。
味わいのある優しい音が聞けるのですが、真空管アンプの特性上大きな出力が出せないものが多いです。
メジャーな真空管の種類
オーディオで使う真空管には、主にST管、GT管、mT管があります。
ST管で「300B」という真空管は、この3種類の中で一番大きいものになります。だるま型のスタイルをしていて繊細な表現なども出来て人気があります。最も真空管らしい音を出してくれます。
GT管では「EL34(6CA7)」と「KT88」が有名です。
EL34(6CA7)は、スマートでフラットな音を鳴らします。KT88は、力強くアグレッシブな音です。
mT管の「mT」はミニチュアを意味します。そしてこの3種類の中で最も新しいです。
真空管は、形式が同じでも作られた年代、国、メーカーごとに音が違うので購入する際は注意が必要です。
真空管アンプの注意点
注意点は、信号の増幅作業をすべて真空管で行う「純真空管アンプ」と、半導体も使う「ハイブリッド真空管アンプ」があります。
ハイブリッド真空管アンプは、真空管の純粋な音ではないので真空管テイストの音が聞ける程度と思ってください。
純粋な真空管アンプは、主に4本ほどの真空管を使っており、発熱もすごくお値段も高めです。それに対して、ハイブリッド真空管アンプは真空管が2本ほどで小型なものも多く、発熱はあまりせず低価格のものもあります。
このように真空管アンプでも構造的に違う系統があるので注意してください。
物理的な注意点としては、衝撃に弱いです。また、真空管内で電子を放出しやすくするためにヒーターが付いています。ですので、乾電池などでは動かせずコンセントが必要になります。
1970年以前のビンテージ真空管などは、球を交換する際ショートしていないか注意してください。最悪の場合、アンプが故障しかねません。
結局、真空管アンプかトランジスタアンプどちらを選んだらいいのか?
オーディオの世界には、正解の音というものがありません。それは、人それぞれ好みの音が違うし聞こえ方も異なっているからです。だから、機器の選択に正解というのはありません。
実際に音を聞いてみて、自分が惚れ込んだアンプを買いましょう。
ですので、真空管であろうがトランジスタアンプだろうが惚れてしまったのなら関係ありません。
まとめ
真空管アンプの良いところはやはり音質です。味わいがあって深みのある柔らかい音を奏でてくれます。
音楽で一日の疲れを癒やす方には、とても良いアイテムかもしれません。
【真空管アンプの音色】の段落で触れなかったのですが、真空管アンプは、ボーカルに艶があって色気が出るそうです。女性ボーカルで顕著にそれが出るようです。
欠点としては、音楽の再生忠実度がトランジスタアンプよりも落ちることです。
物理的な数値は、トランジスタアンプより劣るのですが、数値や理論と音の好みは別物なので音が気に入ったのなら購入するのもありです。
結論を言うと、オーディオ初心者がいきなり真空管アンプを買うのはちょっと…と思います。トランジスタアンプに比べ、癖が強いです。
やはり、音の聞き分け、ケーブル関係などオーディオアクセサリーの勉強など段階を経てから真空管アンプに移行するのがベターでしょう。
コメント
好きなもの買えばいいのであって
事実でも引き留めるような発言はよろしくない