麻婆豆腐・ペペロンチーノ・カレーなど、香辛料として幅広い料理に使用されている唐辛子。
ピリッとした味わいでどんなレシピにも合わせやすく、料理に辛味とメリハリをつけられるのが魅力です。
手軽に使える乾燥タイプはもちろん、フレッシュで風味豊かな生タイプの唐辛子も人気がありますね。激辛好きの人の中には、粉末唐辛子の瓶を外出先に持ち歩いているという人も。
そんな身近な存在である唐辛子ですが、健康状態や摂取量によっては体の不調につながることがあります。
この記事では、唐辛子の健康効果から摂り過ぎによるリスクまで、詳しくご紹介しましょう。
唐辛子の健康効果
紀元前7,000年もの昔から人間に栽培されてきた唐辛子。
香辛料として人々に長く愛されてきましたが、健康にはどのような効果があるのでしょうか。ここでは、唐辛子のもつ代表的な健康効果についてご紹介します。
血圧を下げる
唐辛子には、ホルモンの一種であるアドレナリンを分泌させる作用があります。
アドレナリンは放出されすぎると高血圧を引き起こしますが、唐辛子を摂取した程度の量であれば血圧を下げる効果があるとされています。
コレステロール値を下げる
唐辛子に含まれているカプサイシンには、体内のコレステロールを下げる働きもあります。
血液中のコレステロールが増加しすぎると、動脈硬化や脳梗塞などの大病につながる可能性があるので、要注意。コレステロール値が気になる人は、適度に食事に唐辛子を取り入れるのがおすすめです。
冷え性の改善
辛いものを食べたあと、体が温まった経験はありませんか?
唐辛子に含まれるカプサイシンには血流や代謝をよくする効果があり、冷え性の改善に役立ちます。
疲労回復
血流を改善する働きがある唐辛子には、疲労回復の効果も期待できます。
これは血の巡りがよくなることで、体内の疲労物質がスムーズに分解されやすくなるためです。また、抗酸化作用のあるビタミンEも含まれており、疲労物質の排出をサポートします。
ダイエット効果
唐辛子を食べるとアドレナリンが分泌されて代謝がアップし、脂肪が燃焼されやすくなります。
体脂肪の蓄積を抑えられるので、ダイエット中の人はぜひ上手に取り入れてみましょう。ただし、唐辛子を摂取するだけで痩せるのは難しく、有酸素運動や適度な食事制限の併用がおすすめです。
美肌効果
唐辛子には、ビタミンC・ビタミンE・カロテンなど肌の美しさをサポートする栄養素も多く含まれています。
活性酸素の働きを抑える抗酸化作用も期待できるため、エイジングケアをしたい人におすすめです。
食欲増進
ほどよい辛味は胃を適度に刺激し、食欲増進につながります。夏場など食欲が出にくい季節には、唐辛子を使用した料理を活用すると自然と食事が進みやすいでしょう。
大量摂取による健康被害
さまざまな健康効果が期待できる唐辛子ですが、過剰摂取はかえって健康リスクを高める要因です。
ここでは、唐辛子を食べ過ぎると出やすい代表的な症状をご紹介します。
下痢
唐辛子に含まれるカプサイシンは、交感神経を刺激して腸の動きを活発にさせる作用があります。適量なら便秘解消に役立つのですが、摂り過ぎると下痢を引き起こす原因に。
また、胃腸の粘膜が傷つくことも下痢の原因のひとつです。
息切れ
唐辛子を大量摂取すると、心拍数・血圧の上昇や気管支の収縮が起こります。その結果、咳が止まらなくなったり、息切れしたりすることがあります。
胃炎・胃潰瘍
唐辛子の辛味成分であるカプサイシンは、少量であれば胃の粘膜を保護する作用があります。
しかし、摂り過ぎると胃腸の粘膜を傷つけてしまうため、胃痛・胃潰瘍の原因となるのです。
味覚障害
舌の表面には、「味蕾(みらい)」という味を感じるための器官があります。
カプサイシンによる刺激が強すぎると、この味蕾が麻痺して味覚障害を引き起こすことがあるため注意が必要です。
脳への悪影響
辛味成分のカプサイシンを大量に摂取すると、脳がストレス回避のためにアドレナリンを過剰分泌させます。アドレナリンが放出されすぎると、脳がダメージを受けることに。
その結果、鬱・自律神経失調症・パニック障害・睡眠障害といった疾患につながる可能性があります。
なぜ辛さはクセになる?
辛いものを食べると、気分がスカッとしたり高揚したりしたことはありませんか?
実は、辛味は味覚ではなく痛覚で感じています。激辛料理を食べると、その痛みを落ち着かせようとアドレナリンやエンドルフィンといった脳内麻薬が分泌されるのです。
そして辛いものを何回も食べるうちに、「辛い物を食べる=気分がよくなる」と脳にインプットされていきます。
その心地よさ・快楽を求めて、どんどん激辛料理にハマってしまうというわけです。
しかし、その摂取量が度を越すと上記のように多くの不調に悩まされる可能性があるので、注意が必要です。
そして、カプサイシンに対する感受性や強さは人それぞれ。
同じ量の唐辛子の量でも、体調不良になる人とならない人がいます。「他の人が食べているから大丈夫」と過信せず、自分の辛味に対する体の強さを知っておくとよいですね。
また、胃の調子がよくないときは、カプサイシンに対する感受性が高くなっている場合があります。
いつもは辛いものが平気な人でも、体調が悪いときは辛味の強いものは避けましょう。
まとめ
以上、唐辛子による健康への影響についてご紹介しました。
適量なら多くの健康効果が期待できる唐辛子ですが、過剰摂取は健康へのリスクが高いため、注意が必要です。普段は辛いものに強い人でも、体調不良時は食べ過ぎに気をつけましょう。
唐辛子のメリット・デメリットを知り、上手に健康に役立てていきたいですね。
コメント