春の訪れは嬉しいですが、春と共にやってくるスギ花粉は、花粉アレルギーに悩まされているひとにとっては非常に厄介です。一日中くしゃみ・鼻水・目のかゆみなどに悩まされ、憂鬱な気分で過ごすことになるからです。
でも最近は、良い花粉症治療薬が販売されるようになり、昔に比べるとだいぶ楽に過ごせるようになりました。
薬と体調によっては、朝一回飲むだけで、一日中快適に過ごせるようなこともあります。
そんな花粉症治療薬は、買ってもよい?買ってはいけない?
花粉症治療薬にも色々な種類がある
薬局に行くと、特に花粉の季節は特設コーナーまで作られて、様々な花粉症治療薬が並んでいます。パッケージに表示されている成分・効能・副作用なども少しづつ違っており、「眠くなりにくい」「症状を軽減させる作用が強い」など、各々の特徴が記載されています。
価格も1,000円未満から2,000円以上まで幅があり、一体どれを選んだら良いのか、初めてだと迷ってしまいます。
花粉症治療薬で代表的なのは、抗ヒスタミン薬というもので、アレルギー反応を引き起こすヒスタミンという体内物質の働きを抑える作用があります。ただし抗ヒスタミン薬には、眠くなる・口の中が渇くなどの副作用があります。
市販薬では、副作用が軽くなるよう、成分の配合を調整してあるものが多いですが、その分効き目が弱くなっていることもあります。
飲み薬のほかに、点鼻薬といって、鼻の中にシュッシュッと噴きつけるタイプのものもあります。ステロイド剤という、炎症を抑えたり、血管を収縮させる作用を持つ成分を含んでいるものです。
また、花粉症に特化した目薬もあります。
症状がひどい場合には、飲み薬と点鼻薬と目薬を全部併用しなければならないこともあるでしょう。
まずは病院へ行った方がよい
このように選択に迷う花粉治療薬ですが、自分の症状に合わせて適切なものを使用する必要があることは言うまでもありません。
そのための最適な方法は、病院に行くことです。
医師にかかるすることで、「そもそも本当に花粉症なのか」「花粉以外にアレルギー症状の原因はないのか」といった根本的な問題から、「どんな治療をすればよいのか」「どの薬が有効なのか」といった解決策まで、一貫して相談することができます。
病院へ行くという方法では、当たり前すぎて情報としての価値がない、と思われるかも知れませんが、実は費用面でも病院へ行った方が有利なことが多いのです。
健康保険が使えるなら、長い目で見れば病院の方が割安
あえて加入していない人でなければ、通常は国民健保や組合健保の被保険者になっているでしょう。
病院へ行くと診察料がかかるから、薬局で市販薬を買った方が安いんじゃないの?と考えがちですが、案外そうでもないのです。
花粉の季節は1―2か月続きますので、薬も30-60日分は必要になります。市販薬は概ね2週間分程度のパッケージになっていますので、花粉シーズンの間同じものを購入し続けると、1箱1,000円だとしても4,000-8,000円かかることになります。
これに対し病院で、まとめて2か月分の薬を処方してもらえば、健保を使う前提だと、診察料と薬代を合わせても概ね2,000-4,000円程度です(※もちろん、診断や処方の内容により大きく異なる可能性があります)。
また、薬が合う合わないを見極める為、少量を処方して試したうえで、合わないようなら違う薬を処方してもらうこともできるでしょう。市販薬だとパッケージごとの薬の量はある程度まとまってしまっているので、そのような細かい調整は難しいです。
最初の年は、何種類か薬を試すために数回の通院をしたとしたら、ひょっとしたら市販薬購入とあまり変わらないかも知れません。しかし合う薬が見つかったら、翌年以降は「去年と同じ薬を処方してください」と言えば、通院回数は最低限で済みます。
さらに、症状によっては、市販薬では売っていない効き目の強い薬を処方してもらうこともできます。最近ではジェネリックで安い薬を選ぶこともできるので、そのような薬であっても、費用は抑えることが可能です。
適切な判断に基づいたアドバイスをもらえた上で、市販薬より広い選択肢の中から最適な薬を処方してもらえて、しかも割安。
そう考えると、花粉治療薬は「(市販のものを)買ってはいけない」と言えます。
かかりつけ医師に相談してみるのがおすすめ
更に、他の病気で通院している、かかりつけの医師がいる場合は、そのお医者様へ相談してみるのがよいでしょう。
「花粉症だから耳鼻科に行かないと」と考えがちですが、医師によっては耳鼻科専門でなくても対応が可能な場合があります。そうすれば、初診料がかかりませんし、他の病気や投薬の状況を踏まえた診断も期待できます。
病院を何軒か回るのは時間もかかりますし、決して楽しいことではありません。
よほどの専門性や特別な治療を要するものでない限り、一回の通院で複数の相談ができるのであれば、それに越したことはありませんよね。
まとめ
以上で本記事を終わります。色々良い薬が出てきて対処しやすくなった花粉症ですが、できれば市販薬を買うのではなく、医師に処方してもらうようにしましょう。
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