ペットとして人気のうさぎ。
おとなしいイメージがありますが、実際に飼ってみると、驚くほど元気な動物です。
自己主張が強かったり、甘えん坊だったり、喜怒哀楽がはっきりしていたり。家族の一員として、しっかり「ぼくはここだよ」とアピールしてきます。
うちの子には、ずっと健康で長生きしてほしい。すべての飼い主さんが望むことですよね。
この記事では、意外と知られていない、うさぎのある危険について取り上げます。
実は筆者も、長年うさぎと暮らしてきた飼い主のひとり。
だからこそ、こんな危険があることを、広く知っていただきたいと思うのです。
うさぎには厳禁のノミ・マダニ駆除剤がある
もし、あなたの大切なうさぎに、ノミやマダニがついてしまったら。
想像するだけで恐ろしいことですよね。
ほとんどの飼い主さんが、何とか取ってあげようと、インターネットで対策を探すでしょう。その結果、かなりの確率で「ノミ・マダニ駆除剤」が出てくるに違いありません。
でも、ちょっと待ってください!
うさぎには、絶対に買ってはいけない駆除剤があるのです。
何を買ってはいけないの?
現在、犬や猫用のノミ・マダニ駆除剤として、このフィプロニルを使ったものが市販されています。しかも、インターネットのショッピングサイトで、気軽に買えてしまうのです。
決してうさぎに使うことがないよう、飼い主さんは気をつけなくてはいけません。
「フィプロニル」ってどんなもの?
フィプロニルとは、フランスの企業が開発した殺虫薬です。
ノミ・マダニだけではなく、ゴキブリやアリ、シロアリなどの害虫にも使われます。
置くタイプのゴキブリ駆除剤にも使われていますので、人間にも身近な殺虫薬と言えるでしょう。
そして、うさぎには猛毒です。
フィプロニルを使った主な商品
フィプロニルを使ったノミ・マダニ駆除剤は、うさぎには厳禁ですが、犬や猫には優れた薬剤。
動物病院でも一般的に処方されて、犬や猫の健康を守っています。
だからこそ、実際に流通している商品名も、しっかり覚えておきたいものですね。
ここでは、2種類の商品をご紹介します。
(どちらの商品も、使用上の注意に「うさぎには使わないこと」という旨の記載があります)
フロントライン
日本全薬工業株式会社(ゼノアック)が販売するノミ・マダニ駆除剤です。
引用画像:フロントラインプラス公式ホームページ
筆者は「ノミ・マダニ駆除剤」と聞くと、真っ先にフロントラインを思い浮かべます。それほど広く流通しているということですね。
犬用、猫用が販売されています。
「フロントラインスポットオン」「フロントラインプラス スポットオン」は、首筋に垂らして使用するタイプ。
他に「フロントラインスプレー」があります。
フィプロスポット
共立製薬株式会社が販売するノミ・マダニ駆除剤です。フィプロニルを連想しやすい商品名ですね。
引用画像:共立製薬株式会社ホームページ
犬用、猫用が販売されており、どちらもスポットオンです。
「フィプロスポット」と「フィプロスポット プラス」の2種類があります。
うさぎにノミやマダニがついてしまったら
大切なわが子に、ノミやマダニがついてしまったら、一刻も早く助けてあげたいですよね。
でも、駆除剤は飼い主さんの判断ではなく、動物病院で処方してもらうようにしましょう。
安全とされている駆除剤もありますが、うさぎはとてもデリケートな生きもの。驚くほど小さなきっかけで、体調を崩してしまうことがあるのです。
うさぎに薬剤を使うときは、どんなのものでも、まずは動物病院に相談するのが確実ですね。
すべての動物病院が、うさぎを診察できるわけではありません。
ご自分のうさぎが元気なときに、信頼できる獣医さんを探しておきましょう。
うさぎは犬とも猫とも違う
「うさぎさんはね、犬とも猫とも違うんだよ」
筆者が長年、信頼している獣医さんの言葉です。
当たり前のように聞こえますが、この言葉にはとても深い意味があります。
よく、除草剤や洗剤などのラベルに「ペットにも安心」と書かれていますよね。
この場合のペットとは、犬と猫を指している場合が多いのです。
今回取り上げたフィプロニルのように、犬や猫に安全なものが、うさぎにも大丈夫とは限りません。獣医さんがおっしゃるとおり、うさぎは犬とも猫とも違うからです。
犬のように尻尾を使えず、猫のように鳴けなくても、うさぎは全身で感情を表してきます。
ナデナデしてほしいな。淋しいよお。あなたが大好き。
長年一緒に暮らしていると、自分のうさぎが何を言いたいのか、見ただけでわかるようになります。そして、うさぎも飼い主さんのことを、驚くほどよく理解してくれますよ。
「うさぎさんはね、犬とも猫とも違うんだよ」
筆者がいつも頭に置いている言葉。
もし、うさぎの飼い主さんが判断に迷ったときは、この言葉を思い出してくださいね。
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