知らないと危険!MCTオイルを安易に買ってはいけない理由

みなさんはMCTオイルを知っていますか?
CMで大きく宣伝されたこともあり、スーパーやドラックストアでみかけることも増えています。

筆者の周りでも「健康のために使っているよ」といった声も聞かれるようになり、さらには病院や老人ホームで採用しているところも増えています。
一方で「商品を手にとって説明書きをみても、具体的にどんな効果があるかよくわからない」という声もあります。

実はこのMCTオイル、一般的には健康に良いとされていますが、特定の病気をもっている人が摂るとかえって健康を損なってしまうことがあることをご存じでしょうか。 身体のためを思って買ったのに、こんなことにはなりたくありませんよね。

ここではMCTオイルを摂ると危険な場合についてお話していきます。

知っておきたい体の仕組み

MCTオイルのお話に入る前に、身体の仕組みについて少しだけふれていきます。
私たちが身体を動かすのに必要なエネルギーは「ブドウ糖」から作られます。
ブドウ糖は、お米や麺などの炭水化物や、甘いお菓子などに使われる砂糖や果物などを食べたあと、身体の中で分解されて作られます。

その後ブドウ糖は肝臓や筋肉に保管され、必要な時にとりだせるようになっています。 このブドウ糖からエネルギーを作って、私たちの身体は動いています。(ここではその仕組みを『ブドウ糖の回路』と呼ぶことにします)

普段、私たちの身体はこのようにしてエネルギーを作っていますが、これだけだと食事が摂れなかった場合にエネルギーが生み出せなくなることになります。 そういった状況に備えて、私たちの身体にはもう一つのエネルギーを生み出す回路があります。 それは体内の脂肪から作られる「ケトン体」を使ってエネルギーを生み出す回路です。(ここではそれを『ケトン体の回路』と呼ぶことにします)

この回路があることで、忙しくて食事が摂れずに貯めておいたブドウ糖がなくなってしまっても、エネルギーを作り出すことができるのです。

今、この「ケトン体の回路」が様々な良い効果を生み出すことが注目されています。 しかし、しっかりと食事が摂れている状態ではブドウ糖の回路がはたらくため、ケトン体の回路は使われません。

ところが、MCTオイルを摂ることにより、ブドウ糖の回路がはたらく状態でもケトン体の回路がはたらくようになるのです。 では、ケトン体からエネルギーを作り出すことによって、どのような効果が生まれるのでしょうか。

ダイエットに効果がある

まずはダイエットへの効果についてお話しします。

ダイエットのために運動する方も多いと思います。 その際、体内のブドウ糖を使い切ったあとに、ようやくケトン体の回路がはたらくようになります。
「運動しているのになかなか体脂肪が減らない」という方は、ブドウ糖を使い切る前に運動をやめている可能性がありますが、そもそもしっかりした運動を続けるのは時間も労力もかかって難しいですよね。

そんなとき、MCTオイルを摂ることにより、ブドウ糖の枯渇を待たずにケトン体の回路がはたらくため、同じ運動でも体脂肪を減らすことができ「ウエストが減る」「体重が落ちた」といったダイエット効果に繋がるのです。

ちなみに、糖質制限を合わせて行うことで、より効果的に回路をはたらかせることができます。
また、「MCTオイルって結局は油なんだから太りそう」と思われるかもしれませんが、MCTオイルは蓄積されにくい油なので、適量を守っていれば太る原因になることはありません。
とはいえ、大量に摂った場合はこの限りではないので注意しましょう。

食欲がないときのエネルギー補給に効果がある

エネルギーが足りなくなると、身体を動かす力がなくなるだけではなく、筋肉を作る機能や消化機能など目に見えないところにまで影響します。

身体の機能が落ちると、さらにエネルギーを生み出す力がなくなり、体力が落ちていくという悪循環がおこります。
前項では「ケトン体の回路は蓄積された脂肪からケトン体を作る」とお話ししましたが、食欲がなく、体力の落ちている方が脂肪を蓄えていることは、一時的に食欲が落ちている場合を除き、考えにくいですよね。。

ここでお話しする効果は、脂肪からケトン体を作るのではなく、MCTオイルをもとにケトン体を作り出し、エネルギーに変えていくことで身体の機能を正常に戻していくというものです。

この使い方は病院などでも行われていて「食事に手を付けなかった患者さんに食べる元気がでてきた」「落ちていた筋肉量が回復した」という声もあります。
MCTオイルが生み出したエネルギーにより様々な機能が回復し「痩せすぎ」と言われていた体重が徐々に正常な体重まで戻っていく、そんな使い方もできるのです。

他にも、認知症の予防につながる効果や、運動時の持久力アップなど、様々な効果が報告されています。 そしてこれらの効果はすべて「ケトン体の回路」を使うことでもたらされています。

ここまで読んでいて「MCTオイルって身体にとって良いことばかりでスゴイ!」と感じる方もいると思います。 しかし「MCTオイルを摂る」すなわち「ケトン体の回路を使う」ことで、かえって体調を崩してしまう人がいるのです。 それはどんな人でしょうか。

MCTオイルを摂ってはいけない人の特徴

MCTオイルを摂ってはいけない人とは、「1型糖尿病の人」「重篤な肝機能障害がある人」です。

これらに共通することは「ブドウ糖の回路が正常にはたらいていない状態である」ということです。

ブドウ糖の回路が正常にはたらいていないと、食事をきちんと摂っているにもかかわらず、ケトン体の回路がはたらいてしまいます。
そこへさらにMCTオイルを摂ってしまうと、ケトン体の回路のはたらきに拍車がかかります。 回路のはたらきによりケトン体が増えすぎてしまうと、吐き気や嘔吐、倦怠感などが出現し、最悪の場合死に至ってしまうケースもあります。

したがって、MCTオイルを摂らなくてもケトン体の回路がはたらいている状態の人は、摂ってはならないのです。

いかがでしたでしょうか。 世の中には様々な健康食品がありますが、それらは必ずしも自身の身体に合っているとは限りません。
使ってみたい商品を見つけたら、持病や生活スタイルを踏まえたうえでしっかりと下調べを行い、賢く購入するように心がけましょう。

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