「タレントやモデルになってみませんか？オーディション参加者募集中！」
そんな広告を目にしたことは、ありませんか？
誰でも少しは、タレントやモデルへの憧れはあります。ひょっとしてテレビや映画に出られるようになるかも？
そんな風に考え、落ちて元々だからとオーデションへ応募してみようかという気になったりします。
オーディションには受かったけれど
意外にもすんなり書類選考を通過し、二次選考も合格し、いよいよ俳優デビュー？！と思いきや、「まずは芸能スクールに入学する必要がある」と言われます。そして、芸能スクール入学に数十万円かかることがわかります。
ここで大抵のひとが「そんなお金はありません」と断りそうに思えますが、「コースを修了すればすぐにデビューできる」「折角オーディションに受かったのに、ここでやめたらもったいない」などと言われると、心がぐらついてしまうのです。
実際には、オーディションには応募者全員が受かります（ひょっとしたら、明らかに貧乏で、消費者金融からも借り入れができないと思われるようなひとは、不合格にしているかもしれません）。
芸能スクールというのも大した実態はなく、制作の下働きのようなことをさせられたりします。一応レッスンのようなものを受けられる場合もありますが、その時は別途特別講師のレッスン料などを取られます。
そして、結局は芸能界レビューなどすることはなく、スクールを自主退学することになるのです。
アダルトビデオへの出演を持ちかけられることも
なかには、「モデルとして高収入が期待できる」との話で面接に臨んだら、アダルトビデオへの出演を持ちかけられたというケースもあります。
この場合は、スクールへの入学ではないので「買ってはいけない」という話ではありませんが、うっかり乗ってはいけないことには違いありません。
タレント・モデル契約トラブルが急増中
このような事例は、「タレント・モデル契約トラブル」として、消費者庁のホームページなどでも注意喚起されています。
情報ソースによっては、「オーディション詐欺」とも呼んでいます。契約自体は違法なものではありませんし、デビューできるできないは本人の才能や努力次第だと言われれば、明確に詐欺だと指摘できないケースもあるでしょうが、いかがわしい話であることは間違いありません。
他にも「歌手としてデビューさせるので、自分のCDを数十万で買い取るよう言われた」というようなケースも報告されています。かかると思っていなかったお金を取られる、という点が芸能スクールに入学させられる場合と類似しています。
こうしたケースの被害者は20代女性が多いですが、「シニアタレント募集中」などと謳って50代以上をターゲットにしている場合もありますし、消費生活センターに寄せられるタレント・モデル契約に関する相談の内3割程度は男性からのものであると発表されています。
「芸能界に入れるかも」と夢を見ることで、冷静さを失ってしまうことは、誰にでもありうることです。老若男女を問わず、十分な注意が必要です。
SNSアカウントからのスカウトを装う例も
「別に芸能界に興味はないし、自分からオーディションに応募しなければ大丈夫」と思うかも知れませんが、中には「SNSであなたのアカウントを拝見しました。当事務所が求めているキャラクターにうってつけの逸材とお見受けしましたので、是非タレント契約させてください」などと、スカウトを装ってダイレクトメッセージを送ってくることもあります。
きっかけは違っても、タレント契約後に高額な芸能スクール入学やレッスン受講を強要されることは同じです。
いずれにしても、このような芸能スクール入学やレッスン受講、「買ってはいけません」。
ちゃんとしたスクールなら、最初から金額は公表しているはず
そもそも、オーディションの後でこのようなスクール入校やレッスン受講を勧めてくること自体が、おかしいことです。スクール生なりレッスン生徒を募集する旨を明示し、入学金も最初からわかるようにするのが普通でしょう。
このように後出しで言ってくる場合は、「今のままでは厳しいが、才能はあるから磨けばものになる」「レッスンを受けた方がデビューが早まる」などと理屈を付けて、入学や受講はオプションであるかのように案内されますが、当然最初からそちらが目的ですから、かなり強引に契約を迫られます。
もしこのようなことに巻き込まれてしまったら、絶対にその場で契約してはいけません。その場では断りづらいとしても、一旦持ち帰って検討するなど伝えて、保留するようにしましょう。
まとめ
以上で本記事を終わります。オーディションで「あなたには才能がある」などと言われると気分が良くなり、その気になってしまうかも知れませんが、オーディション合格後に別途レッスン料金を要求されるようなタレント・モデル契約には、十分注意しましょう。
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