女性はほぼ毎日メイクをするので、鏡で自分の顔を見て、「あ、ここにニキビができた・・」とか、「目元にシワが増えたなぁ・・」など思うことがあるのではないでしょうか。
いつまでも綺麗でいたい、と思うのは当たり前の気持ちですし、そのためならできることは何でもしたいと思いますよね。
しかし、世の中には溢れんばかりの化粧品、スキンケア商品が販売されていて、何を使ったらいいのか迷うことはないでしょうか。
スキンケアの中には美容液がありますが、その美容液には様々な美容成分が配合されていて、効果があるのではないか、と思いますね。
果たして、本当の美肌を手に入れるにはどうしたらいいのでしょうか。
肌の構造と役割
一般に皮膚と呼ばれている部分は「表皮」「真皮」の２層構造になっています。その厚みはわずか0.4～1.5㎜程度。
さらに「角質層（角層）」「顆粒層」「有棘層」「基底層」の4層に分かれています。
皮膚の一番外側にある角質層は、一定の期間留まったあとにはがれ落ちていきます。皮膚は生まれてはがれ落ちるまで、約1か月のサイクルで再生されており、これを「ターンオーバー」と呼びます。
角質層は角質細胞と呼ばれる細胞が重なり合っていて、その細胞の隙間をセラミドを主成分とする細胞間脂質という油分が埋めつくしてセメントのように接着しています。
皮脂は毛穴から出る油分で、この細胞間脂質（セラミド）は細胞から出る油分。
この細胞間脂質は人工では決して作ることのできない優れた保湿力があります。
このセラミドが角質細胞を十分に繋ぎ合わせることで、肌に水分をキープすることができます。水分が保たれた肌には、バリア機能が働きます。
外からの異物や刺激物が体の中に侵入することを防ぎ、肌の中の水分が外に逃げるのを防いでいます。
美肌成分と美容成分の違いは？？
美肌成分・・生まれながらの美肌になる成分。皮脂膜、NMF、セラミド▶3大保湿因子
◆皮脂膜（弱酸性） 【皮脂：脂分＋汗：水】
・皮膚の表面に広がることによって水分の蒸発を防ぎ、肌を乾燥から守ります。
・皮膚の常在菌によって弱酸性に保たれていて、外部から来た細菌の繁殖や侵入を防ぎます。
・表皮のターンオーバーを促します。
◆NMF 【天然保湿因子：水分系】
NMFは、天然保湿因子とも呼ばれる表皮の角質層にある保湿やバリア機能を担う大切な成分です。「ナチュラル・モイスチュアライジング・ファクター」の略称です。
親水性が高いので、水分を吸着するはらたき、つまり保湿力が高く、角質層の弾力性や柔軟性を保つはたらきがあります。
また、NMF（天然保湿因子）は、肌のphを下げ弱酸性に保つ働きもあります。これによって、皮膚常在菌のバランスも整います。
その結果、キメが整い肌のハリやつやがもたらされるのです。
NMFの重要度は「資生堂リサーチセンター」の「天然保湿因子（NMF）酸性酵素の性質とバリア機能」の論文でも明らかとなっており、この論文ではNMFがアトピー性皮膚炎にも大きく関わっていることを示しています。http://ja (jst.go.jp)
◆セラミド（細胞間脂質） 【脂＋水分】
セラミドは、お肌に元々ある成分のひとつで、皮膚のいちばん外側の表皮にある「角質層」に存在しています。
角質層の潤いの80％以上は細胞間脂質が担っており、セラミドは細胞間脂質の50％以上の割合を占めます。そのため、セラミドは角質層の潤いを保ち、バリア機能を高める成分としてとても重要です。
美容成分・・シミやしわ、たるみ、美白に効果的と言われている成分。
生まれながらに持っている美肌成分がなくなるから、トラブルになっているのに美容成分ばかり使っている・・？
◆美白ケア：ビタミンＣ誘導体
ビタミンＣに期待できる効果
・メラニン色素の生成阻害
・活性酸素の分解
・コラーゲンの合成促進
これによって、すでにできてしまったシミの改善や、紫外線を浴びることで発生する活性酸素への対応、肌のキメを整えてシワを改善する効果が期待されるといわれています。
◆しわ改善：ナイアシンアミド
「ナイアシンアミド」は美白・シワ改善の効果をもつビタミン成分のひとつです。
表皮細胞の増殖を促進。シワぐせの復元力を高めて、小ジワを改善します。
コラーゲンを生み出す線維芽細胞に働きかけて、コラーゲンの生成を促進。真皮まで凹んだ表皮をグッと押し上げて、深いシワを改善します。
◆シミ、そばかす改善：L-システイン
ドラッグストアでも簡単に手に入るアミノ酸の一種、天然に存在するアミノ酸で、私たちは普段の食品などから摂取することができます。
メラニンを淡色化する還元効果がある成分です。お肌のターンオーバーを正常化して、メラニンの排出を手助けします。
このような有効成分は、美容成分の中でも化粧品の効能・効果にプラスして肌悩みに対してのアプローチができるとして効果・効能が国に認められている成分です。
美容成分の中でもさらに効能・効果が認められている成分ということです。（※治癒ではなく、あくまで予防などの人体には影響がゆるやかなもの）
新しいスキンケアトレンド
肌は本来一定の状態を保つようにできています。
肌に与えられる様々なストレスや内部からのバランス変化などの問題が起こってもいつも通りコントロールする働き、恒常性「ホメオスタシス」と言います。
たとえば、ニキビで悩んでいる人が洗顔を強化して、乾燥で悩んでいる人が保湿を強化して、くすみで悩んでいる人がピーリングをして・・
そういった対処療法で根本的に悩みが解決した人はほとんどいません。
対処したときは良くなったように思えますが、時間が経てばもとに戻ってしまいます。
ダイエットで言えば、リバウンドのようなもの。それもこれも肌のホメオスタシスが正常に機能していない、ということです。
もっと言えば、間違ったお手入れで肌のホメオスタシスを崩してしまっているからとも言えます。
美肌への考え方＝何を肌に入れるかではなく、何が足りないかを考えることです。
まとめ
人の老化は20歳を過ぎると始まると言われています。
それぞれの食事や運動、生活環境によって肌の老化は違ってきます。
特に、30代半ばからは皆さん何かしらの悩みがでてくるのではないでしょうか。
たとえば、しみが目立ってきたな・・というとき。
しみに効果のある美容液を使いたくなりますが、まず原因を考えてみるようにしてみましょう。そして、肌の構造をみてみると、どうしたらよいかがおのずとみえてきます。
この記事で見てきたように、肌は保湿をするのが一番大切です。
セラミド（美肌成分）の含まれているスキンケアを使用することで、バリア機能が高まり肌のホメオスタシス機能も正常になります。
はやく悩みを改善したいからと言って、美容成分ばかりのスキンケアを使用しても、根本的な改善にはなりません。
ですので、美容成分ばかりのスキンケアは買わない方が良いでしょう。
まずは3大保湿因子を理解して、肌に今何が必要かを見極めましょう。
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