和食で、代表的な料理といえば、ひじきの煮物を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
ひじきといえば、鉄分があり、髪によくて、食物繊維も豊富、というイメージが、昔からありますよね。
日本人は昔からひじきの栄養価の高さに気づいていて、食事に取り入れていました。
日本の国土はカルシウム質が少ないので、カルシウムを補給することができませんでした。
そこで、先住民は海藻からカルシウムを補うようになりました。
保存にも適していて、海から離れた土地でも食べることができました。
欧米の水は、鉱水が多いので、カルシウムが普段から摂取することが可能ですが、
日本の水は軟水なので、カルシウムが少なくて、
日本人のお年寄りの骨が弱いのは、その差だと言われています。
縄文時代からひじきを食べていたとされていて、日本人は大昔からひじきを大切にしてきました。
現在でも、サラダや、炊き込みご飯にしたり、料理のバリエーションがとても多く、家庭の料理にかかせない存在です。
その反面、ひじきには体に良くない成分が入っているという情報もあり、食べるのを控えている方もいます。
そのイメージは今も正しいのでしょうか。
ひじきとは
昔から、栄養豊富なひじきを食べると、長生きをすると言われてきました。
波が荒い海岸や、岩場などにおおく繁殖している海藻です。
茎の部分を、長ひじき、茎ひじきと呼びます。
ボリュームがあり、歯ごたえがあるのが特徴的です。
ひじきの葉の部分を、芽ひじきと呼び、水で戻るのが早く、調理がしやすいという特徴があります。
一般的に売られているひじきは、乾燥していて、３月～４月が旬と言われています。
収穫したてのひじきは硬くて渋いため、加熱処理をしてから市場に出回っています。
生のひじきとは、一度乾燥させたものを再び戻したものです。
収穫して、茹でただけのものは、釜揚げひじきや、新物生ひじきと表示されて販売されています。
生のひじきは旬な時期にしか手にすることができませんが、乾燥ひじきには無い、風味や食感がたのしめます。
ひじきは、味や香りに癖が少ないので、さまざまな料理に合います。
ひじきはとても栄養価が高いです。カルシウムが牛乳の12倍、食物繊維がごぼうの7倍、ビタミンも豊富に含まれています。
ヨウ素も豊富に含んでいます。
ヨウ素は、タンパク質の合成や、基礎代謝の促進や、体内の新陳代謝の調節を行うので、子供の成長にはかかせません。
ひじきが髪に良いとされている理由に、ヨウ素が髪の成分のたんぱく質の合成を促していると考えられます。
カロリーが低くて、GI値がとても低いので、血糖値の急激な上昇を抑えることができます。
食物繊維が豊富なので、便秘や、デトックス効果が期待でき、
ダイエット食材としても用いられることが多いです。
現代との違い
昔は鉄分といえば、ひじき。でしたが、
現在のひじきの鉄分は、1/9まで下がっています。
その原因は、料理に使われる鍋の素材が、鉄からステンレスに変わったからです。
ひじきの鉄分は、鍋から溶け出た鉄分をひじきが吸収していたということです。
鉄製のフライパンや、鍋でひじきを煮れば、鉄分が多く含まれます。
さらに、ひじきにはヒ素が含まれていることがわかっていて、
摂取する量に気を付けるようにと言われています。
加工方法が二種類あり、天日干ししてから、洗浄、水戻し、水洗い、蒸煮して、また乾燥させる方法と、干さずに加熱して乾燥させるという方法があります。
安全について
ヒ素は毒です。たくさん摂取すると、中毒になります。
ヒ素というのは、農薬や木材防腐などで使われていて、４０年以上たってから中毒が発症することもあります。
水で戻したひじきは、一日、4.7ｇ未満なら問題ないとされています。
ひじきが好きで、たくさん食べていた方は、回数を週に一度に減らして、
小皿にとるくらいの量にした方が良いです。
乾燥ひじきは水戻しをしますが、この時の水に、ヒ素が含まれているので、
戻し水は料理には使わずに捨てた方が良いです。
ヒ素は水に溶けやすいので、水戻しと茹でこぼしで、９割くらいのヒ素が抜けることがわかっています。
まとめ
ひじきには、美容や健康にかかせない栄養素がたくさん含まれています。
調理がしやすく、味もおいしいですが、毒素も含まれるので、多く食べてはいけないです。
しかし、水戻しや茹でこぼしなどの下処理をすることにより、毒素を９割も減らすことができます。
昔は、ひじきを食べると豊富な鉄分を摂取できましたが、現在では一般的に調理で使用する鍋の材料が、昔とはちがうので、ひじきに含まれる鉄分が、昔とくらべると、とても少なくなりました。
しかし、鉄のフライパンや鍋を使用することのより、鉄分を多く摂取することができます。
ひじきは、子供の成長や、人間の体にはかかせない存在なので、週に一度でいいので、摂取するのが良いです。
ちゃんと下処理をして、食べ過ぎなければ、問題ないのです。
処理がもう済んでいて、そのまま料理に使用できるひじきも販売されています。
安全においしく、ひじきをいただきましょう。
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