火災が発生したら、怖いですよね。
自分の家や家財が燃えてしまうだけでなく、近所に被害を及ぼすこともあります。そこで、各家庭でも消火器や火災報知器などの備えが必要となります。
でもそれらの設備って、どこで買ったらよいのでしょうか。そもそも買うものなのでしょうか。
消防用設備、買ってよい?買ってはいけない？
消防用設備の点検を装った業者には注意が必要
ヘルメットと作業着といった服装で、消防関係者による点検を装って訪問して来る業者がいます。
このような業者による詐欺的行為の被害には、以下のような事例があります。
・「設置してある火災報知器が古いので交換しなければならない」と言われ作業を依頼したら、予想以上に法外な金額を支払うことになってしまった。
・突然訪問してきて、消火器の設置義務があると言われ、その場で高額な消火器リース契約を締結させられた。
・「火災報知機の設置義務がある」と押しかけてきて、強引に報知器を設置し、かなり高額な設備工事料金を請求された。
こういった業者に共通している手口は、専門知識のないひとに対して、消火器や火災報知器について「設置義務がある」「交換時期が来ている」等の説明をし、強引に設置や交換の作業を進め、高額な料金を請求するというものです。
中には、「今のままでは設置義務違反なので、万一の際火災保険がおりない」というトークで不安を煽るケースもあります。
更に一度設置や交換をさせると、点検やメンテナンスと称してその後も何回もやってきて、その都度費用を請求します。
昔いかがわしい消火器販売業者が「消防署の方からやってまいりました」と紛らわしい自己紹介をする、というような話をよく聞きましたが、現在でも同様のやり方が行われているのです。
個人住宅では消火器の設置義務はない
一般の住宅では、消火器については法的な設置義務はありません。
従って、消火器を備えつけていなくても、違法ということではないのです。もし先述のようないかがわしい業者が「設置義務違反だ」と言ったとしても、それは嘘です。
ただし、多くの自治体では、一般家庭であっても消火器の備え付けを推奨しているのも事実です。万が一火災が発生した際、消化手段としてはやはり消火器が有効なので、備え付けておくに越したことはないでしょう。
では、消火器はどこで買えばいいのでしょう？
手っ取り早いのは、ホームセンターかネット通販でしょう。
お値段は、一般的なもので4,000-5,000円程度です。悪質な訪問販売業者は、これを何万円もの高価格で売りつけて来るので、注意が必要なのです。買ってはいけません。
火災報知器は個人住宅でも設置義務がある
一方、火災報知器については、消防法改正により、既存住宅であっても2011年以降すべての市町村で設置が義務化されています。設置が必要な場所は各市町村の条例によって異なりますが、寝室や階段はいずれの場合も必須となっています。
新築の場合は建築確認申請という手続きによって、火災報知器の設置状況について記載が必要になりますが、既存住宅の場合は設置報告の必要がありません。従って、現在でも多くの家屋で火災報知器が未設置となっています。また、設置をしていないことによる罰則規定がないことも、普及率が100%となっていない原因のひとつです。
設置義務について知らないひとだと、訪問してきた怪しい業者に「消防法違反だ」と指摘されると、ビックリして後ろめたい気持ちになってしまうでしょう。そこを付け込まれて、法外な価格の取り付け工事を依頼することになってしまうのです。
火災報知器はどこで買えるのでしょう？
こちらも、ホームセンターやネット通販で容易に入手できます。
価格は1個2,000-3,000円程度です。他の部屋に設置した報知器と連動して鳴動するタイプだと、セットで10,000-20,000円程度になります。大がかりな工事をせずとも、ドライバーで簡単に取り付けできるものが大半です。
いかがわしい業者に足元を見られると、自分で購入・設置すればどんなに高くても精々数万円で済むものに、工事費を含めて何十万も請求されたりしますので、買ってはいけません。
他にこんな消火設備もある
住宅用スプリンクラーというものも販売されています。
家庭用の水道から取水し、火災による熱を感知すると天井から自動的に散水して、火の燃え広がりを食い止めます。
一般住宅であっても、地下室や無窓室（窓のない部屋）には、スプリンクラーの設置がないと、消防法違反となります。
これはさすがにDIYでの設置は難しいので、水道工事業者などへの相談が必要です。費用は、一般的な大きさの木造住宅で50-100万円程度かかります。
まとめ
以上で本記事を終ります。万が一の火災に備え、消火器や火災報知器を備え付けておくことは必要ですが、自分で購入・設置すればそれほど高いものではありません。くれぐれも、悪質な業者に騙されないようにしましょう。
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