「スキマ時間で楽に稼げる方法教えます!」
・・・そんな広告を目にしたことはありませんか?
「給料はなかなか上がらないし、買いたいものは色々あるし、ここいらで副業を始めるのもアリかも!?」
そんな風に考えるひともいるでしょう。
睡眠や食事の時間を削ってまでアルバイトするとなるとやはり厳しいですが、空いた時間だけでできるなら、ダメ元でもいいから、ちょっとやってみたいですよね。
その副業指南、買ってよい?買ってはいけない?
副業詐欺の典型的な事例
最近、不景気や老後不安などを背景に、副業についての情報が溢れています。
出前請負・Webライティング・EC出店・株式投資・アフィリエイト・・・色々な選択肢がありますが、やはりそれなりの努力やスキルが必要なものばかりで、自分には無理かなあと思ってしまいそうです。
そんな中、「画像を送るだけ」で月10万円以上稼ぐことができる、という仕事が目にとまります。
高級なカメラなどは不要で、スマホで撮影した写真や動画で十分。これなら自分にぴったりかも!と思ってしまいますよね。
・・しかし、これは典型的な副業詐欺の手口なのです。
この副業に応募すると、まずは数千円程度のテキスト教材を購入させられます。そこには、副業のやり方が一応書いてあります。しかし、その作業内容でなぜ稼ぐことができるのか、いまひとつピンときません。
そこへ、「サポートプラン」を勧める連絡が入ってきます。
この副業は、画像投稿サイトへの投稿で広告収入を得るというビジネスモデルであり、有料のサポートプランを契約することで、投稿画像の視聴数を増やすことができると言うのです。そして、この有料サポートプランは、対象期間などによって区分されたレベルに応じて、数十万~百数十万円程度の価格設定となっています。
事業者からは、「1か月で数十万~数百万円稼げるので、サポートプランの料金はすぐ回収できる」と勧められます。中には消費者ローンで借り入れて、サポートプランを申し込みさせられる場合もあるようです。
そしてサポートプランを契約しても、実際にはほとんど稼ぐことはできません。
そもそもの話が、高額かつ意味のない有料サポートプランを契約させるための詐欺なのです。このような「簡単に稼げる」という副業指南、絶対に買ってはいけません。
「サクラ」の演出なども凝っている副業詐欺
消費者庁も、
・写真を貼り付けるだけの簡単な作業で儲かる副業ビジネスを紹介するとして(中略)著しく高額な金銭を支払わせる事業者
・無在庫での転売ビジネスのノウハウを提供するなどといたい、多額の金銭を支払わせる事業者
・毎月10万円もうかるビジネスなどとうたい、多額の金額を支払わせる事業者
・・・など注意喚起を、ホームページなどで公開しています。
よく考えたら、簡単に稼げる方法が本当にあるなら、わざわざひとに教えるようなことはせず、こっそり独り占めにしますよね。
そこで、この種の副業指南をする事業者では、応募者に対しLINEの友達登録を指示してくることがあります。登録するとグループ登録へ招待されます。グループトークでは、以下のような会話が交わされています。
「はじめまして。みなさんに質問なんですが、本当にそんなに稼げるんですか?」
「●●さんこんにちは!本当に稼げますよ!私も先月は20万円ゲットしました」
「●●さん、よろしく!私も先月は約30万円でした。もう勤務先を退職して、こちらを本業にしちゃおうかなw」
これを見た応募者は、指南された副業を実際にやっている人たちだと思い込み、「なんでこっそりやらないんだろう?」というような疑問もどこかへ行ってしまいます。
でも、これは全部いわゆる「サクラ」、もっと言えば事業者の自作自演(マッチポンプ)です。
試しにこのグループトークで、副業詐欺に関するネット記事のリンクを投稿して、「こういう話とは違うんですか?」と質問してみてください。おそらく無言で、トークからブロックされるはずです。
他にもある副業詐欺のバリエーション
既にご紹介した以外にも、以下のような副業案件が詐欺事例として報告されています。
・異性とメールで会話するだけの「メールカウンセラー」
・指定されたテンプレとプラットフォームでECを開くだけの「まねっこビジネス」
・朗読した音声を送信するだけの「録音ビジネス」
・ネット上の動画URLを特定のサイトにコピペするだけの「コピペビジネス」
いずれも、「簡単に始められて、多額の収益を得られる」ということをうたい文句とし、ビジネス開始にあたって初期投資が必要であると高額の商材などを購入させるが、実際にはほとんど収入を得られない・・という点が共通しています。
このような詐欺にあっても「指南されたとおりにやったのに、全然もうからない・・・やっぱりそんなに簡単なものではないんだな」・・そのようにガッカリして、諦めてしまうひとがほとんどです。
「そちらから言われた通りやっているのに、全く儲からない!」と、事業者へクレームを入れるひともいます。そうすると、「こちらはちゃんとサポートしているのだから、そこから先はあなたの実力次第」などと開き直られてしまいます。
さらには、クレームを入れようと思った時には、すでに事業者とは連絡が取れなくなっているということもあります。
まとめ
以上で本記事を終わります。「楽して簡単にもうかる」という副業案件、うかつに信じてはいけません。まして、副業開始前に高額な資材購入などを強要された場合は、絶対に買ってはいけません。
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