人気上昇中のアクアリウムは熱帯魚が中心でしたが、近年はメダカの飼育がブームとなっています。
熱帯魚に比べて飼育が容易で飼いやすく、最近のお祭りごとでは「金魚すくい」ではなく「メダカすくい」が多くなってきていますよね。
メダカといえば地味なイメージがありますが、品種改良が盛んになり、キレイで可愛いメダカが数多く存在しているのです。
この品種改良されたメダカですが、実は飼育が難しいものが多いのはご存知でしょうか?
メダカの飼育は簡単だからと、改良されたキレイなメダカを飼っても、すぐに死なせてしまうこともあります。
この記事では、「改良メダカ」の注意点やおすすめのメダカをご紹介します。
「改良メダカ」とは?
改良メダカは、ミナミメダカなどの通常のメダカを、特定の特徴や品種を強化するために改良されたメダカです。
元々、自然のメダカに表れた突然変異を交配によって美しく改良していきます。たとえば、メダカの光はお腹の部分にあるのですが、その光がたまたま背中に出る個体があり、その個体同士を何代も掛け合わせる事によって固定率を上げ、光メダカを作る事が出来るのです。
今や、改良メダカの特徴は7グループ43種類にも分類さています。
体が光る「ラメ系」や体が透けてみえる「シースルー」、赤い目の「アルビノ」や胴が短く丸い「ダルマ」など。様々な種の交配を重ねて作られた改良メダカが存在しています。
これらの特徴は「目に見える」「次世代に遺伝する」という性質を持っているため、愛好家や飼育者に楽しまれています。珍しい品種なら2万円、「交配用」のオスとメスのセットで1万円など、高値で販売されているほどです。
改良メダカは飼育難度が高い
メダカと言えば、丈夫で飼育や繁殖が簡単なイメージがありますよね。
しかし、改良メダカを飼育するうえでは、病気になりやすかったり、繁殖が難しかったりと注意が必要とされます。
品種によって弱点は様々で、飼育する改良メダカの種類を確認し、飼育環境を整えてあげるのが重要となりますので、初心者の人が改良メダカを飼育するのは難しい場合もあります。
ここで、改良メダカの飼育難易度が高い理由をしっかり確認していきましょう。
ダルマメダカの場合
ダルマメダカは、通常のメダカと比べて胴が短く、丸みをおびているのが特徴です。
この可愛らしい愛嬌のある姿が人気となり、またカラーも豊富なため、コレクターも多い品種です。
★消化能力が弱く、繁殖しにくい
ダルマメダカは、突然変異で背骨が短くなったもの同士を掛け合わせて産まれた品種です。そのため内臓にかなりの負担がかかっています。食べ物を消化する能力も低く、頻繁に消化不良を起こしてしまうので、餌の与え方には十分注意が必要です。
また丸い体のため泳ぎが苦手なので、強い水流だと体力を消耗してしまいます。
ダルマメダカの卵は無精卵が多く、孵化したとしてもダルマの体系を引き継がない可能性が高いので、繁殖させるには根気が必要ですね。
アルビノ系メダカの場合
赤みがかった目が特徴のアルビノ系メダカ。
メラニン色素が少なく、白く透明感のある体をしていますので、大変美しいメダカです。
★視力が弱いため、給餌が難しい
アルビノメダカの目は視力が弱く、殆ど見えていません。
そのため餌を与えても気づかないことが多く、他のメダカ等と混泳させると、餌にありつけない可能性が高くなってしまいます。
また、直射日光に弱いので、庭先などの屋外での飼育を行うと生存率は低くなってしまうのです。できるだけ室内で、少数飼育を行うことが重要となります。
透明鱗メダカの場合
透明鱗メダカとは、エラ蓋の虹色素胞がなくなることによって、エラ蓋が透けてエラの赤色が外から見えるメダカの事です。
体に透明感があったり、ヒレ美(ひれび)と呼ばれるヒレの中まで鮮やかな特徴があったりする種類もいます。
★phショックを起こしやすい
透明鱗メダカは、水交換時にphショックを起こしやすい品種です。なので、水交換の際は注意深く水合わせを行う必要があります。
また、脂肪種もできやすいので、動物性たんぱく質の多い餌は控えめに給餌したほうがいいでしょう。
水質の管理や餌の栄養面に注意が必要なので、繊細な品種になります。
飼育しやすい改良メダカ
改良メダカの中には、飼育しやすい品種もいますのでご紹介します。
白メダカ
体色が白くなるよう交配を重ねて作られた品種です。白メダカの目は黒く、また体型も原種と同じで、体もとても丈夫です。
ヒメダカ
原種の突然変異から生まれた品種です。黄色〜オレンジ色の体色は品種改良によって固定されたもので、原種と同じ体型をしています。
楊貴妃メダカ
金魚のような朱赤色の体色が鮮やかで人気があります。改良品種ではあるものの、ヒメダカと同じく丈夫で繁殖させやすいため、改良メダカ飼育の入門種としておすすめされる品種です。
まとめ
改良メダカは通常のメダカよりも繊細で、特定の環境条件やケアが必要な場合があります。飼育する際は、専門的な知識や注意が必要です。
初めてメダカを飼育するならば、まず飼いやすい品種をえらび、最低限の知識を学んだほうがいいでしょう。
「キレイだから」と高額な改良メダカを買ってしまうと、後悔してしまう可能性もあります。まずは丈夫なメダカから挑戦し、メダカライフを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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