皆さんは、歯磨きをするときにフッ素入りの歯磨き粉を使っていますか?
店頭でよく見かける、ずらっと並んだ歯磨き粉の中には、フッ素入りの歯磨き粉がたくさんあります。
フッ素が入っていると虫歯になりにくいといわれますが、「フッ素入り歯磨き粉」を検索すると危険と表示されることがあります。
本当に安心して使えるものなのでしょうか。
そこで、買ってはいけないフッ素入り歯磨き粉の危険と言われる事例について調べてみました。
フッ素入り歯磨き粉による副作用
歯のインプラント治療を受けている人が、フッ素入り歯磨き粉を使って歯磨きをすると、チタンインプラントが腐食される可能性があるので使用は好ましくないと言われてきました。
しかし現在では、歯磨き剤に含まれるフッ素は濃度に上限があり、腐食するほどのフッ素濃度にならない、インプラント装着時の虫歯予防のために、フッ素入り歯磨き粉は使用して問題ないとも言われています。
また、フッ素のひとつであるフッ化第一スズは、スズイオンによる高い浸透性や殺菌効果、バクテリアによる抗菌作用があるとのことですが、長期間使用すると歯の表面が変色してしまう可能性があります。
フッ素入り歯磨き粉の過剰摂取による危険
フッ素の過剰摂取による副作用として、海外の事例では斑状歯、骨の発育不全、がん、ダウン症、認知症などが確認されています。
フッ素自体に強い毒性があるわけではないのですが、他の薬剤などと同様に過剰に摂取すると健康に大きな影響が出る場合があります。
フッ素入り歯磨き粉による中毒
現在発売されている9割以上の歯磨き粉にフッ素が配合され、中には上限1,500ppmに近い高濃度のフッ素入り歯磨き粉があります。
年齢や体重によっても違いますが、フッ素量の摂取量による急性中毒を起こす可能性があります。
幼児が一日3回の歯磨きを行った場合、事故にならない限り過剰摂取にはなりませんが、使用量を守ることと、子どもが誤って飲み込んだりしないように事故防止することが必要です。
厚生労働省は、6歳未満の子どもには1,000ppm以上の高濃度のフッ素入り歯磨き粉の使用は控えること、6歳未満の子どもの手に届かないところに保管すると通知しています。
特に子どもは、同じ年齢でも個人差がありますので、低年齢の子どもへの使用は注意が必要です。
また、フッ素の過度使用による副作用としてアレルギーがあります。吐き気や腹痛の症状が出たりするので注意が必要です。
慢性中毒では、歯のフッ素化というエナメル質の形成障害が起こり、色や形に異常が認められるような症状が出ることがあります。
歯のフッ素化は、エナメル質の表面が溶けてしまったところを修復する歯の石灰化の途中に、高濃度のフッ素を継続的に摂ってしまうことが原因となります。
しかしフッ素の過剰摂取は、フッ素が多く含まれる食品や飲み物を大量に取り込んだ場合に発生します。
フッ素入りの歯磨き粉は、歯を磨いた後にぶくぶくとうがいをして吐き出しますし、フッ素塗布も歯の表面にフッ素入りのジェルを作用させるだけで、中毒になることはありません。
賛否両論あるフッ素入り歯磨き粉ですが、心配な人はフッ素無配合の歯磨き粉を使う方が、安心できますね。
フッ素入り歯磨き粉の効果
フッ素入り歯磨き粉の効果として3つの良い面を見ていきましょう。
毎日の食事による食べかすで作られた酸によって、歯の表面のカルシウムやリン酸が溶け出して初期虫歯になります。
①口の中のプラークや唾液に働きかけ、抗酵素作用、抗菌作用で菌の繁殖を抑えて酸の生成を防ぎ、虫歯予防に役立ちます。
②フルオロアパタイト(歯質の主成分であるハイドロキシアパタイトがフッ素に触れた際に変化する結晶)を生成します。
それは、酸に溶けにくい歯にする結晶で、歯質強化に役立ちます。
③歯から溶け出したカルシウムやリンの再沈着と再石灰化を促進し、ごく初期のむし歯なら、自然に再修復してくれます。
人の生活スタイルに違いがありますが、毎食後に歯磨きが理想的です。
そして、歯の健康を維持することを考えると、一日の歯磨き回数はせめて朝晩の2回は行いたいですね。
まとめ
フッ素は、食品の中にも僅かな量ですが必ず含まれています。体に入った栄養素と同じように、胃から腸へ吸収されて血液から各内臓に運ばれます。
そして、大部分は尿から排出され、排出されなかったフッ素は骨や歯に蓄えられて、代謝とともに排出されます。
フッ素入り歯磨き粉は、適量を守り誤って過剰摂取することのないように安全に使うことで、家庭で手軽にできる身近な虫歯予防や治療に役立てることができます。
しかし、フッ素を全面的に頼った虫歯予防よりも、どうしたら虫歯にならないか、生活面を見直すことが必要ではないでしょうか。
私たちにとって、いくつになっても美味しく食べられることや、体に負担をかけず栄養を吸収し健康な体を維持するためにも歯はとても大切です。
フッ素入り歯磨き粉を正しく使うことや、生活面を見直し、虫歯にならにように大切な歯を守っていきたいですね。
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