お店やスーパーで手軽に買えて食べることができるフライドポテト。
油でカラッと揚げられています。
「無性に食べたい」なんてことあるのではないでしょうか?
また、お子さんがいる家庭などで献立が物足りない時や、おつまみの一品として大活躍しますよね。
安価で大容量な点も嬉しいです。
ですが、残念ながらこれらの背景には問題があります。
どのような問題があるのか見ていきましょう。
フライドポテトの定義
フライドポテトとは、一般的にじゃがいもを油で揚げた料理です。
拍子木切りや細切りにしたり、皮つきのままくし形切りにしたりして揚げます。
ビーフステーキなどのつけ合わせに用いるほか、酒のつまみやファーストフード店のメニューとして一般的になっています。
発祥地といわれているベルギーでは主食の扱いであり、大量に消費されています。
国をあげて自国のフライドポテトをユネスコに申請するほど、 ベルギーの日常生活に根付いている食べ物であるといえます。
死亡リスクが高まる?
普段食べる時に体に悪いと分かっていても、おいしくて大好きだという人が多い印象の代表格がフライドポテトだと思います。
ですがフライドポテトに関する残念な事実がまた一つ明らかになりました。
長年にわたって食べ続けると、早死するリスクが高まることです。
詳しくはフライドポテトを週に2回以上食べると、死亡リスクが食べない人の約2倍になるということです。
もととなった論文をご参照ください。(※1)
海外が出した論文のため英語で記載されています。ですから、ざっくりご紹介します。
大きく分けると以下の通りです。
- フライドポテトを週に2〜3回食べている人たちと、週3回食べている人たちについては死亡リスクが高まった
- 揚げていないじゃがいもを食べても死亡リスクに影響はなかった
- じゃがいもを多く食べている人たちと食べていない人たちを比較すると、死亡リスクに差はほとんどなかった
- フライドポテトを多く食べる人は死亡リスクが高かったが、調査をする対象の人数を増やして研究をする必要がある
この調査から分かることは、「フライドポテトを食べることが直接的に死亡リスクが高まったことにつながっていたと考えることはできない」ということです。
ですがこのように、フライドポテトと死亡リスクの関係性が示されているということは、なんらかの理由があるのではないでしょうか。
油で揚げる以外の調理法で摂取したじゃがいもに同様のリスクはないと上記の論文から見て分かるように、問題は「揚げること」にあると考えられています。
問題の原因となるもの
フライドポテトと死亡リスクに関連性があるとすれば、さまざまな報道の中には、トランス脂肪酸やアクリルアミドの摂取が原因ではないかと推測されています。
トランス脂肪酸
トランス脂肪酸とは、脂質の構成成分である脂肪酸の一種です。
植物油などからマーガリンやショートニングなどを製造する際や植物油を高温にして脱臭する工程で生じます。
トランス脂肪酸には、天然に食品中に含まれているものと、油脂を加工・精製する工程でできるものがあります。
食品からとる必要がないと考えられており、むしろ、とりすぎた場合の健康への悪影響が注目されています。
トランス脂肪酸を多くとりすぎている場合には、少ない場合と比較して心臓病のリスクが高まることが示されています。
アクリルアミド
農林水産省によると、アクリルアミドは、工業用途において紙力増強剤や水処理剤、土壌凝固剤、漏水防止剤、化粧品(シェービングジェルや整髪剤)などに用いられるポリアクリルアミドの原料として製造されている化学物質です。
食品中にアクリルアミドができる主な原因は、高温によって発生することです。
原材料に含まれているある特定のアミノ酸と糖類が、「揚げる」「焼く」「焙る」などの高温での加熱(120℃以上)により化学反応を起こすためと考えられています。
水分含有量の少ない場合には、特にアクリルアミドができやすくなるとされています。
食品の加熱によって起こる成分の化学変化は、風味や味の形成のように食品の美味しさに重要な役割を果たしていることが知られています。
ですが人がアクリルアミドを大量に食べたり、吸ったり、触れたりした場合に、神経障害を起こすことがこれまで確認されています。
国際機関は、動物実験の結果から、発がん性がある物質とアクリルアミドを分類しています。
風味や食感といった食品に求められている品質を保ちながら、アクリルアミドが発生しないように加熱調理することは、残念ながらとても難しいです。
まとめ
フライドポテトの問題についてご紹介しました。
フライドポテトはおいしいですが、死亡リスクが高まってしまったり、化学物質が発生してしまったりと、ざまざまな問題があります。
また栄養バランスをとりづらい料理でもあることは間違いないです。
ときどき食べるのを楽しみにする程度がよいでしょうね。
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