男女問わず愛されるシルバーアクセサリー。シルバーならではの質感や光沢はもちろん、プラチナやゴールドに比べて値段も良心的なため若い世代にも人気が高まっています。なかでもシルバーリングは指先を華やかにしてくれるうえにコーディネートの邪魔をしないのでオシャレ初心者の方でも手を出しやすいのではないでしょうか。
そんなコスパ最強のシルバーリングですがメリットだけでないのも正直なところ。今回はシルバーリングのデメリットを踏まえ注意点もいくつかご紹介します。購入を検討されている方は是非、参考にしてみてくださいね。
シルバーアクセサリーの特徴
プラチナやゴールドと並ぶ地金のひとつでアクセサリーの主な材料として使われています。アクセサリーの種類に限らず、シルバー素材は金属の中でも熱伝導が高いため展延性に優れており鋳造などの加工がしやすいという特徴があります。ほかの金属と比べ輝きが強いだけでなく扱いやすい点からシルバーアクセサリー職人も多くデザインの幅が広いこともシルバーアクセサリーの魅力といえるでしょう。
➡ 鋳造(ちゅうぞう)：熱で溶かした金属を鋳型(いがた)に流し込んで目的の形状に固めること。
- 手に入れやすい価格
- 加工のしやすさ
- 豊富なデザイン
- 金属アレルギー対応のものが多い（※肌に合うかどうかしっかり確認しましょう）
ちなみに金属アレルギーとは、金属が原因で生じるアレルギー症状のことで汗や唾液など金属が溶けてイオン化(体内のたんぱく質と結合)すると体が「異物」として認識してしまい拒絶反応を起こします。これがアレルギー症状となり現れるのです。
特に汗をかく暑い夏は金属がイオン化しやすいため蕁麻疹や湿疹、掻痒感、腫れなどの皮膚症状が出やすくなります。重度になると発熱や全身倦怠感など皮膚以外にも現れることも。発症までの日数は当日～数日後と個人差がありますが皮膚症状や異変があった際にはすぐに使用を中止し皮膚科を受診しましょう。
- メンテナンスが大変
- 黒ずみ、変色しやすい
- サイズ直し、部分直しは不可
- 財産価値が低い
- 結婚指輪には不向き
黒ずみの原因「硫化」
硫黄と反応することで黒ずむため、普段アクセサリーを身に着けたまま入浴されるという方は気を付けましょう。硫黄の含まれた温泉に入れば一発で真っ黒です。旅行など温泉に入る際は硫化を防ぐためにもアクセサリーを外すことをおすすめします。
黒変色の原因「塩化」
硫黄だけでなく塩素とも反応してしまうシルバー素材。意外と多いのが漂白剤のトラブルです。ポケットに忘れられたまま洗濯したり、綺麗にしようと漂白剤にに浸けたり塩素系漂白剤で黒く変色してしまいます。汗や海水、プールにも塩素が含まれているので注意が必要です。
変色しやすいシルバー素材ですが、その特性を逆手にとることで味わい深い雰囲気が楽しめるのもシルバーアクセサリーの魅力といえるでしょう。十字架や骸骨などハードロックなデザインはシルバー素材を最大限に生かしてくれます。
ですがどうしても変色させたくない！というのであれば「ロジウムメッキ」が施されたものを選ぶと良いでしょう。ただし変色しにくい「ロジウムメッキ」も研磨するとメッキが剥がれてしまうためメンテナンス時には気を付けましょう。
シルバーリングは結婚指輪に使えない？！
リングと聞いて1番に思い浮かぶのが”結婚指輪”という方も多いのではないでしょうか？結婚指輪に使ってはいけないNG素材というものはありません。ですが頻繁なメンテナンスや見た目の変化などシルバー素材の特性が結婚指輪としてはあまり向いていないため、売るとしても買うとしても選びにくくなっています。
実際、ブライダルリング専門店ではシルバー素材が取り扱いがなく、プラチナとゴールドが中心です。特にプラチナは耐久性に優れ、稀少性も高いため「結婚」という特別なイベントにふさわしいとされ、高価でありながらもプラチナを選ぶ夫婦は8割と大多数を占めています。ファッションアイテムやマリッジリングとしては最適なのですが日常的に使用する結婚指輪としてはあまりおすすめはしません。なかには好んで選ぶ方もいますがシルバー素材の結婚指輪は周りからもかなり珍しいと思われるでしょう。
また先ほどまでメリットだった価格に関しても結婚指輪となればデメリットになりかねません。リーズナブルな価格に伴い低価値と捉えてしまう人もいることも事実です。お二人が納得したうえでシルバーリングを選ばれるのでしたら問題ないのですが安いからという理由だけで購入して後悔した！なんてことは避けたいですね。
先述した通り、シルバー素材は金属の中でも熱伝導率が高く加工しやすい反面、一部だけを加熱しても全体が高温になるためサイズ直しなどには高い技術力を要します。対応している工房も少ないこともありサイズ直しはほとんど不可と考えておくほうが良いでしょう。そういった点でも結婚指輪に不向きとされる理由のひとつです。
ちなみにレンタルで済ませようと考えている方は要注意なのですが、指輪を貸してくれる式場やお店はほとんどないと思ってください。もし貸してくれるところが見つかったとしてもレンタル料を考えると購入しても料金に大差はないためそうなると手元に残るシルバーリングを購入した方が賢明でしょう。
ここまでシルバー素材の特徴を挙げてきましたが実は錆びない最強のシルバー素材があるのをご存じでしょうか？それがSV925です。シルバーアクセサリーの裏面に「SV925」「925」「SILVER925」など刻印がされており純度92.5%という意味を表しています。
※刻印規定はないため表記の仕方や無刻印などアクセサリーによって異なります。
100％ではない理由としてアクセサリーをつくるにあたって100％だと硬すぎて加工がしにくいため銅などの金属を混ぜて合金にするのです。
SV925は基本的に錆びません。なのでお風呂や食器洗いなど日常生活で錆びる心配はありません。ですがいくら錆びないといっても硫化はします。つまり黒ずむことはあるということです。時々クロスで軽く拭いてやるなどの最低限のメンテナンスは行いましょう。
ちなみにシルバーは磁石には反応しないためシルバーとメッキを見分ける方法として参考にしていただければと思います。
シルバー素材のお手入れ方法
- 鍋にアルミホイルを敷く
- その上にシルバーアクセサリーを置き、浸かるほどの水を注ぐ
- 塩を入れたら沸騰させる
- しばらく煮込み取り出したら水で洗う
- 柔らかい布で拭く
- ボウルにアルミホイルを敷く
- その上にアクセサリーを置き、浸かるほどの熱湯を注ぐ
- 重曹を投入
- しばらく置いて取り出す
- 柔らかい布で拭く
※お手入れの頻度はどちらの素材でも1か月に1回が理想的です。
「硫化」による黒ずみは、シルバークリーナーなどの専用液に浸けるだけで輝きが蘇りますが「塩化」による変色は被膜が強力なため専用液だけでは効果はありません。逆に変色させる可能性もあるので強力な皮膜を削り取るため研磨剤やシルバークロスなどで磨きましょう。ジュエリーショップによってはアフターケアを行っているところもあるので購入した際に店舗で確認してみてくださいね。
まとめ
もったいないからと大切にしまっておくよりは、ずっと身につけているほうが常に擦れるため変色しにくいのですが、しばらく使わないという場合は黒ずみを防ぐためにも空気に触れさせないよう保管しましょう。
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