水感覚で買ってはいけない「甘いフレーバーウォーター」

1日中オフィスで働いていると、それだけで喉が渇きますよね。

職場に持ち込める水分のルールは、会社によっていろいろ。中には「水とお茶なら持ち込み可」というところもあります。

そんなときに嬉しいのが、ペットボトルの甘いフレーバーウォーター。

仕事に疲れたときやストレスを感じた時に飲むと、果物の香りと甘みが、気持ちをほっと和ませてくれます。桃や梨、みかんなど種類も豊富で、毎日飲んでも飽きません。

ミネラルウォーターと見分けがつかないので、堂々と職場へ持ち込むことができますね。

水分補給のために手放せないと言う方も、たくさんいらっしゃることでしょう。

でも、無色透明とはいえ、甘いフレーバーウォーターは「清涼飲料水」。決して、ミネラルウォーターではないのです。

甘いフレーバーウォーターの糖質

甘いフレーバーウォーターは、いろいろなメーカーから販売されています。

成分表を見ると、書かれている原材料は製品により様々ですが、共通しているのは糖質。

そこで、ペットボトル1本にどれくらいの糖質が含まれているのか、製品ごとに比べてみました。

（小数点第1位以下四捨五入）

「い・ろ・は・す」

日本コカ・コーラ株式会社の製品です。1本555ml。

「サントリー天然水」

サントリーフーズ株式会社の製品です。1本540ml。

「晴れと水」

キリンビバレッジ株式会社の製品です。1本550ml。

「ミウ」

ダイドードリンコ株式会社の製品です。1本550ml。

カロリーの内訳

甘いフレーバーウォーターには、1本あたり99kcal～130kcalのカロリーと、約24g～33gの炭水化物が含まれているのです。

炭水化物には糖質と食物繊維がありますが、カロリーがあるのは糖質で、1g＝4kcal。

ここから逆算すると、含まれているカロリーの内訳は、ほぼすべて糖質であることがわかります。

また、一般的な角砂糖の重量は4g。もっとも少ない「ミウ　レモン＆オレンジ」でも、角砂糖6個分の糖質が含まれているのですね。

これほど甘いものを、水感覚で飲み続けても大丈夫なのでしょうか？

ペットボトル症候群の甘い罠

人間が甘いものを飲むと、血糖値がぐんと上がります。

そして、血糖値が上がった体は「喉が渇いた」というサインを送り、水分補給を求めてくるのです。

このとき、甘いフレーバーウォーターを飲むと、再び血糖値が上昇。甘いものを飲む→また喉が渇く→さらに高血糖という無限ループに陥ります。

こうなってしまうと、高血糖に耐えられなくなった体は、もうやめてくれと悲鳴を上げるのです。

それは、ひどい喉の渇きや多尿、だるさ、吐き気、イライラとして現れます。さらに悪化すると、意識の低下や昏睡状態まで引き起こすことも……。

これが「ペットボトル症候群」と呼ばれる代謝異常の状態。糖尿病と同じです。

砂糖依存症の甘い罠

実は、糖質には強い依存性があります。いわゆる砂糖依存症ですね。

糖質を摂取した人間の脳では、ドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリンなど、幸福感を与える物質が分泌されます。もちろん、これ自体は無害なもの。

しかし、この分泌による幸福感が病みつきになると、脳はすぐに糖質を欲しがってしまうのです。

たとえば、オフィスでストレスを感じたとき、甘いフレーバーウォーターを飲みたくなるように。

この砂糖依存症が引き起こす病気は、糖尿病ばかりではありません。

糖質があふれた体の中では、本来なら健康を保つために使う栄養素を、糖質の処理に回してしまいます。

そのため、体のあちこちが栄養不足のような状態に陥ります。これでは、とても健康ではいられませんよね。

砂糖依存症が引き起こす病気には、うつ病やアルツハイマー、骨粗しょう症などがあります。一見、糖質には関係ないように思われますが、決してそうではないのです。

甘いフレーバーウォーターは水感覚で買ってはいけない

甘いフレーバーウォーターは、その見た目から、どうしても水を飲んでいる感覚になってしまいます。

しかし、これは水ではなく、30g前後の糖質が入ったジュース。おまけに、カロリーのほぼすべてが糖質ですので、血糖値を急速に上げてしまう飲み物と言えるのです。

オフィスで甘いフレーバーウォーターを飲んだとき、ほっと気持ちが和むのにも、脳の中で起きるからくりがありました。

これからは、水分補給のために飲むものは、ミネラルウォーターかお茶にすることをオススメします。

甘いフレーバーウォーターは、特に頑張った日に自分自身へ贈る、ささやかなご褒美。

ペットボトル症候群や砂糖依存症を防ぐだけでなく、嬉しいダイエット効果もありますよ。

(スポーツドリンクにも大量の糖質が含まれていますので、気をつけましょう）

人生を楽しむために、健康は大切な宝物。病気を招くことがないよう、糖質と上手に付き合っていきましょう。